研ぎ澄まされた詞世界と記憶に残るメロディ、力強い歌声で、幅広い世代から支持を集めるシンガーソングライター、篠原美也子(しのはらみやこ)。 

1984年に音楽活動をスタートした彼女は、1993年にシングル「ひとり」でテイチクレコード・バイディスレーベルからデビュー。以降1998年までメジャーシーンで、その後はインディペンデント系のレーベルやセルフレーベル「SKYBEANS RECORDS」を軸として活動してきた。2013年にはデビューから20年で20枚目となるアルバム「青をひとつ、胸に抱いて」をリリースするなど、コンスタントに作品を重ねながら確かに世界観を築き上げている。2017年には弾き語りミニアルバム「STAY FOOLISH」やバンドスタイルでのミニアルバム「Lighthouse Keeper」を発表するなど、近年もハイペースに作品を送り出してきた。
また一方で、ライブシーンでも精力的に活躍してきた彼女。ダイナミックな歌唱や重厚な音楽表現はもちろん、ユーモラスで多彩なライブMCにも定評があり、過去には「篠原美也子のオールナイトニッポン」でラジオパーソナリティも務めるなど、硬軟自在の語り口でも多くの人を魅了してきた。近年もUSTREAM配信「居酒屋みやこ」やオリジナルの絵日記ブログ、幅広い話題に触れる「ノーコンエッセイ」、趣味のスポーツ観戦をまとめたエッセイ集「スポーツに恋して」(花伝社)など、さまざまなかたちで言葉を伝えながら文筆家としても支持を集めている。




・篠原美也子/誰の様でもなく 




近年の篠原美也子の音楽を知る上で観てほしいのが、この「誰の様でもなく」のライブ映像だ。 

ピアノ弾き語りというシンプルな表現スタイルながら、重厚かつドラマチックに展開されるピアノサウンドとまっすぐ届く彼女の歌声が融合して、圧倒的なインパクトで聴かせてくれる。画面越し、イヤホン越しでも、その歌に込められた想いがエモーショナルに伝わってくるのは間違いない。
歌詞で描かれるのは時代の流れと、その中で自身の軸を持って生きていくことの決意。デビュー2作目として1993年にリリースされ、代表曲として長年知られてきたこの曲は、篠原美也子というアーティストを知る上でまず聴いてほしい一曲だ。



新型コロナの影響によりライブの予定は立っていないが、春のワンマンの舞台となるはずだった代官山UNITで収録された弾き語りのライブ映像が、UNIT公式YouTubeチャンネルにて公開されている。「ライブは基本的に足を運んでくれた人たちのものなので」という彼女だが、この機会にその音楽に触れていただき、来たるべき日にはぜひ会場に足を運んでいただきたいと思う。 



シンガーソングライターとして、そして一人の女性・母として、人生を重ねてきた彼女。その歌唱と演奏は、豊かな人生経験に裏打ちされた確かな説得力を放ちながら、聴き手の心を確かに揺さぶる力強さを感じさせてくれる。 

聴き手を選ばず響く普遍的なメロディと詞世界、そしてユニークでオリジナリティにあふれた表現スタイルを展開する篠原美也子の今後の活動に、ますます注目だ。




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