2015年に主宰の櫻井元希氏のもと結成された音楽家集団。東京藝術大学バッハカンタータクラブのOB・OGを中心に構成されている。メンバー1人1人が輝かしい実績や経歴を持ち、その才能達が同じ志をもち演奏をしている。個々の才能が合わさり奏でる演奏、合唱は言葉では言い表せないほどの深みや、斬新さがある。 

団体名のSalicusは、装飾を伴うとされる上昇の「ネウマ」の名称に由来する。「ネウマ」とは、10世紀頃のグレゴリオ聖歌の記譜法である。Salicus Kammerchorでは、この歌心の粋を集めた「ネウマ」を解釈し、その歌唱法を「グレゴリオ聖歌のみならず、ポリフォニー、そしてJ. S. バッハの演奏にも生かしていく」という思いのもとこの団体名が名付けられた。


主宰である、櫻井元希氏は広島大学教育学部第四類音楽文化系コース、東京藝術大学音楽学部声楽科を卒業後、同大学院古楽科をバロック声楽で修了している。数々の著名人に声楽、指揮、古楽演奏、ボイストレーニングなどを師事しており、音楽に対してシビアに向き合っている。Salicus Kammerchorのみならずほか2つの団体の主宰をしており、フォンス・フローリス古楽院では教鞭もとっている。自分に厳しく様々な肩書を持つ彼、そんな彼を筆頭に結成されたSalicus Kammerchor。彼らが、演奏し、合唱する音楽たちは必ず聞き手の心を奪うに違いない。

今後の活動は、演奏会と配信のハイブリットで行なっていくという。最近では、演奏会の映像などをYouTubeで配信している。

自宅でも本格的なクラシックを聴くことができるのは、新型コロナウイルスの影響にも負けずに精力的に活動してくれている彼らのおかげと言えるだろう。




・『J.S.バッハのモテット全曲演奏会ダイジェスト』 




結成6年目の集大成として行われたJ. S. バッハのモテット全曲演奏会の映像。 

クラシック界でもアウトサイダーな立ち位置にいると自負する彼が、宗教声楽の良さを少しでも多くの人に分かってもらえるようにと制作した作品。

バッハを知らなくても聞き手が純粋に良いと思える、楽しいと思えるような演奏を目指した。

非常に広大なバックグラウンドを有し、ある一つの尺度でははかれない多様性をもったバッハの作品たちは、聞き手の感じ方一つで色々な顔を見せてくれることだろう。




・『Heinrich Schütz "Verba mea auribus percipe" / Salicus Kammerchor』

   



新型コロナウイルスの影響により、中止になってしまった2020年5月の演奏会。 

準備万端だった彼らはめげることなく、各パート宅録での配信を決め実行したのがこちらの演奏。「新型コロナウイルスのパンデミックが過ぎ去った後、聞き手の方と音楽を共有できることを夢見て力を蓄えている。」と語る彼。今だからできることと、熱心に収録をし配信に至った。

祈りや朝の情景が目に浮かぶ厳かで壮大な印象を受けるこの作品。

テンポが違うパート同士の掛け合いのようなメロディはなんとも絶妙に絡み合って一つの音を作り出している。




・『リモート多重録音音源集』 




テンポが一定でなく、録音が難しかったというこの楽曲。新型コロナウイルスの影響もある中挑戦として、リモートで多重録音し販売用の音源になるかチャレンジした作品。 

チャレンジといっても、試作品のようなものでなく内容としては洗練されている宗教声楽を聞くことができる。流れるようなメロディに、透き通った声、重なり合う各パートの歌声が神々しい作品を作り上げている。

彼らのモットーである、先入観に囚われない柔軟な演奏がとてもよく表現されている。



「いわゆる古楽的アプローチに甘んじることなく、むしろそれに対し常に疑問を投げかけながら、音楽の核心に迫る為に様々な角度からアプローチを試みる。」と語る彼らは、古きを愛しながらも新時代を切り開くまさにパイオニアといえるだろう。 

その先頭に立ってクラシック界を切り開いていく、櫻井元希氏はバッハのカンタータ約200曲を録音するのが夢だという。しかし、「自分が生きているうちには達成できないだろう」とも語っていた。それほど、バッハのカンタータの録音には練習を要するからだろう。だからこそ後身の育成にも力を注ぐことで、夢の実現に想いを馳せるのであろう。




【ライブ情報】 

Salicus Kammerchor演奏会

J. S. バッハの教会カンタータ vol.1

日時・会場:

11月10日(火)19:15開演(18:30開場)

武蔵野市民文化会館小ホール ※200席限定

チケット:前売り 一般5,500円/学生2,500円

https://tiget.net/events/104835


11月13日(金)19:15開演(18:30開場) 

日本福音ルーテル東京教会 ※70席限定

チケット:前売り 一般6,000円/学生3,000円

https://tiget.net/events/102915


曲目:カンタータ第78番「イエス、あなたは私の魂を」BWV 78 

Kantate Nr. 78 „Jesu, der du meine Seele” BWV 78


カンタータ第99番「神の御業は正しきこと」 BWV 99

Kantate Nr. 99 „Was Gott tut, das ist wohlgetan” BWV 99


カンタータ第103番「あなた方は泣き喚くだろう」BWV 103 

Kantate Nr. 103 „Ihr werdet weinen und heulen” BWV 103


カンタータ第182番「天の王よ、あなたを歓迎します」 BWV 182 

Kantate Nr. 182 „Himmelskönig, sei willkommen” BWV 182


詳細:https://www.salicuskammerchor.com/concert



【公式HP】 

https://www.salicuskammerchor.com/


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