2018年10月から活動を開始したボカロP、シシド。

シューゲイズ、ノイズポップ、パワーポップをルーツとした、轟音ギターや残響ギターを軸としたバンドサウンドの楽曲を多数制作。憂いを帯びた歌詞とサウンドメイクが特徴。
2020年には田口淳之介氏とボカロPのコラボアルバム『ジュウゴノシンゾウ』に参加。同氏には「ギターテクニックも凄い」と評されており、ライブでのギター演奏も務めた。

2019年秋、1stフルアルバム『Somewhere To Live』をリリース。2020年10月に公開されたばかりの楽曲『末期少女/シシド feat.初音ミク』は公開から約3週間でYouTube再生回数4万回を突破。さらに11月15日に開催される『THE VOC@LOiD M@STER45』では2ndフルアルバム『劣性ポップ』をリリース予定と、どんどん注目度が増しているボカロPだ。




・アーティフィシャルハピネス/シシド feat.音街ウナとflower 




「ポジティブな人、ネガティブな人は分かり合えない。根本的に考え方が違い、お互いが強い考え方を持っているから話が噛み合わない」。自信の経験からくるそんな考えを楽曲に落とし込んだ1曲。それを表現するように、音街ウナとflowerというツインボーカルスタイルで構成されている。

サウンド面は「歌詞は重いがポップな音に、軽快なビートにする」という思いで制作されており、持ち前のウェットなバンドサウンドをダンスロックやポップなギターロック調に鳴らす。踊れて、それでいて歌詞の言葉は一つ一つ心に刺さってくる。そんなサウンド感となっている。



・末期少女/シシド feat.初音ミク

 



後悔から約3週間でYouTube再生回数4万回を突破した楽曲『末期少女/シシド feat.初音ミク』。
自身のセクシャリティによって、周りから変だとかおかしいとか言われたときの末期感・疎外感が、この楽曲を生むきっかけとなった。そんな楽曲だけに歌詞にも≪あの日からもうボクだけ浮いてるようで≫≪あの日あんなにも笑顔で迎えてくれた その手は嘘じゃないとわかっているけど≫と、空虚さを感じる言葉が並ぶ。

サウンドは、歪みと残響を意識した真っ白なシューゲイズサウンド。しかし完全に終始それで覆うだけではなく、「クリーンとの対比をわかりやすくすることにこだわった」というその言葉通り、クリーンで穏やかな箇所もある。ゆえにシューゲイズサウンドで覆われる箇所が感情の爆発のように聞こえ、余計に切なく苦しく響く。



・慣性スケーター/シシド feat.flower

 



「シューゲイザーとディレイにこだわりがあり、それが生きるようなリフを作った」という1曲。実際ディレイの効いたギターが印象的で、最初の一音からぐっと心を掴まれる。そんなリフやサビでの盛り上がりは抜群で、サウンド的には華やかな1曲だといえるだろう。

この楽曲はアーティスト・田口淳之介と総勢14名のボカロPで作るコラボアルバム『ジュウゴノシンゾウ』に収録されている。「企画参加者にすごい人が多かったが、肩肘張らず、等身大であれたら」という思いで制作したこの楽曲は、シシドというコンポーザーの魅力をしっかりと詰め込んだ上で、それをオーバーカルチャーなシーンに届ける力を持っているということは間違いない。




これからの活動について尋ねてみると「沢山の人に見ていただけるように動画投稿を続けていきたい。いろいろな人と一緒に作品を作ることにも挑戦したい」と話してくれた。

歌詞の世界観やサウンドに特徴的なものがあり、オリジナリティも高いといえるボカロP、シシド。これから先の活動が楽しみな存在の一人だ。



【読者に向けて】
私はネガティブな作品ばかり作っていますが、聴いてくれた方々が、ネガティブを肯定できるきっかけになれたらいいなと思います。

皆さんの日常の一部に添えていただけたら嬉しい。



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【HP】

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【YouTube】

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【リリース情報】
2020/11/15@THE VOC@LOiD M@STER45
2ndフルアルバム

『劣性ポップ』