シンガー『ハルカ』によるプロジェクト、ディアブルボア。
メタルやラウドロックといったハードな音楽性にゴシックなムードや
キャッチーなサウンド感を掛け合わせ、唯一無二の世界観を創出する。
ともすればかみ合わない可能性もあるそれぞれの要素を、
ハルカの美しい歌声が絶妙な塩梅で結び付けているというのも一つのポイントだ。
2017年より始動し、ライブを中心に活動を展開。
2020年以降はコロナの影響を受けなかなか難しくなっている部分もあるが、
ライブでの発信をやめているわけではない。
また、リリースにも積極的で、これまでに4枚のシングルと1枚のミニアルバムをリリースしている。
2021年で活動4年目に突入。
技術的にも脂が乗ってきた彼女及びディアブルボアは、今注目しておくべきアーティストの一人だ。
・ディアブルボア/SUICIDE HILL [OFFICIAL VIDEO]
2021年6月にリリースされた4枚目のシングル『SUICIDE HILL』の表題曲。
重たくパワフルなリフには、ダークな世界観が強く香る。
シンセサイザーによってゴシックに着色されてはいるものの、
ハルカの歌声もこれまでのものと比べてよりクールな質感で、楽曲の重たさが特に響く。
かと思えば甘さに振り切った歌声を効かせたりもするから面白い。
そんな楽器としての歌声の使い分けに、シンガーとしての彼女の成長をしっかりと感じることが出来る1曲だ。
その成長は、楽曲の完成度の高まりにつながる。
そしてそれによって導かれるのが、高い没入感だ。
彼女ならではの世界観の中に没入して、非日常を過ごすことが出来る。
・「アルカナ」リリックビデオ
同じく4枚目のシングル『SUICIDE HILL』に収録されている1曲『アルカナ』のリリックビデオ。
重厚で攻撃的なバンドサウンドが響き渡る同曲では、デスボイスも聞かせる。
しかしハードなサウンド感で押し通すだけではなく、キャッチーなメロディーラインを融合させたり、
不穏なムードが満載になったりと、1曲の中に様々なサウンドの要素を織り交ぜているのが印象的。
そんなサウンドやぎりぎりの精神状態を描く歌詞から、独自の世界観を強く感じることが出来る1曲だ。
・ディアブルボア/Lovingly yours[OFFICIAL VIDEO]
1stミニアルバム『Lovingness』収録曲。
美しさと疾走感を兼ね備えたロックサウンドを重たく鳴らすこの楽曲は、
アニソンさながらの突き抜けるキャッチーさを持っている。
特にサビのメロディーラインの広がり感は格別で、自然と目の前に映像が広がっていく。
サビにもっていくまでの高揚感も抜群だ。
サビでの高音も難なくこなす彼女の、音域の広さにも注目したい。
『SUICIDE HILL』で聴かせるようなクールで低めの音から、
この楽曲でのファルセットのような美しい高音まで、
幅広く歌いこなすことが出来るシンガーだと分かる。
その音楽性も歌声も、すぐにでもアニメの主題歌を担当していても何の違和感もないものだ。
成長の速度から考えても、今後実際にそういう存在になっていく可能性は十分だろう。
【HP】
【Twitter】
https://twitter.com/diablevoix
【リリース情報】
2021/06/09リリース
4.雨音