2019年3月に福岡で結成したバンド、poor man's rose。
2020年1月には1stデジタルシングル『エンドロール』をリリース。
さらに同年6月には1st EP『白線を跨ぐ』を発売。
この2021年にも8月に『in the blue』、さらに9月に『寂春』と
二つの楽曲を配信リリースするなど、精力的に活動を展開。
・poor man's rose -『寂春』Music Video
2021年9月に配信リリースとなった楽曲『寂春』。
≪久しぶりだね 何をしている? 君の中には私はもういない≫
という歌い出しで始まる同曲は、失恋をテーマにした楽曲。
「MVも過去の回想のような雰囲気にしたい」という思いから、他愛のない思い出や日常、
何気ないシーンがメインとなっており、得も言われぬ喪失感を覚える。
そんなこの楽曲は、サウンドの静と動のコントラストも印象的。
抑えるところはぐっと抑え、サビでは爆発的なサウンドで覆う。
ギターソロ終わりからの盛り上がりは、聞いているうちに高まっていく感情とリンクするだろう。
さらに、盛り上がりから抑えた音になるその瞬間も、喪失感と繋がるはず。
描かれる世界観や歌声だけではなく、その音からも感情を刺激される1曲だ。
・poor man's rose -『エンドロール』Music Video
バンドで初めて出したMV付の作品『エンドロール』。
テーマとなっているのは、「どんなことにも終わりは来る。永遠はない」ということ。
ゆえに、制作時には「幻想っぽい、生活感のない曲にしたい」というイメージがあった。
そしてそれは、リバーブなどの浮遊感のあるエフェクトや、
「勢いではなく楽曲の雰囲気に合わせたシンプルなものを心がけた」と話すドラミングに現れている。
どんなことも、終わってしまうのは寂しいし悲しいもの。
しかしその音や言葉、歌声からは、「物事には終わりがあるからこそ、その一瞬一瞬が輝くのだ」と感じさせられる。
そして、いつか終わるという当たり前のことをむねに、日々を生きようと思えるのだ。
・poor man's rose -『in the blue』Music Video
豊潤な歪みをもって鳴らすギターサウンドや、適度な疾走感をもって進んでいく曲調から、
夏っぽい雰囲気を強く感じる楽曲『in the blue』。
描かれているのは「何も変わらない日々に光を。希望を見つけたい」という少し重たいテーマ。
「だからこそ曲調は明るいものにした」と話してくれた。
その音は、光であり、希望であるように届く。
暗い気持ちを、柔らかく淡い光で覆ってくれるようだ。
さらにいえば楽曲に香る夏感、夏の高揚感も同様の効果を放つ。
後半、一呼吸置いたのち一気に爆発していく展開や、MVの最後の方で見られる、
曲の真意を表しているような“もがく”演出は、特に心に作用する。
是非最後まで見て、聞いていただきたい1曲。
その音の厚みや覆われる感覚は、ライブではより顕著に感じられるだろう。
是非ライブに足を運んでいただきたいバンドの一つだ。
【ライブ情報】
【リリース情報】
『in the blue』『寂春』を含む全4曲入りのEP『退廃的な生活』をリリース