DREAM THEATER、SYMPHONY X等のメタルからユーロ・ロック、ケルト音楽、ショパン、モーツアルトを好む星野 学(Gt)と、 KAMELOT等から前川清、ピアソラ、美輪明宏、はたまたオペラをこよなく愛するNaru(Vo)が中心となり、スタジオ・プロジェクトとしてスタートしたバンド、シェーンベルク。


2009年には国産メタル系オムニバス『SAMURAI METAL Vol.5』に参加。翌2010年、X JAPAN、LOUDNESS、DREAM THEATERを好む山崎勝博(Ba)が加入し、アルバム制作を開始。“ロサ3部作”を収録した1stアルバム『SPLENDID ROSA BIRTH ~華麗なるロサ、誕生~』をYggdrasil Recordsより2011年7月にリリース。

2012年春より、次作の構想を練り始め、ストーリー・アルバムとすることを決意。Naruの書いたオリジナル・ストーリーを基に曲作りをスタートさせ、2013年末のリリースに向けて2ndアルバムの制作に取り掛かるも、メンバー周辺に苦難が続き、一旦レコーディングを延期。2015年後半より再びアルバム制作/レコーディングを開始し、2016年夏に壮大なストーリー・アルバム『Another Veiled Story ~運命の系譜~』が完成。同年10月28日(金)に、新たに契約したBlack-listed Recordsよりリリース。

以降、ライブ活動を続けながら曲作りも同時に行い、2020年4月15日、量子力学と音楽を融合させた3rdアルバム『Baroque Gravity』をRepentless Recordsよりリリース。シェーンベルク芸術を更に革新的に広げた渾身の作品に。又、初のMV『クリスタル・ド・ネージュ』も制作。

その後、新型コロナウィルスの蔓延でライブ活動が滞りながらも、何本かの公演を開催。しかし2021年8月にNaruに病が見付かり、活動は1年半休止。2022年10月6日、Naruの完全復帰公演を皮切りに活動を再開。現在、ライブ活動と4thアルバムを制作中だ。

なおバンド名は、アーノルド・シェーンベルクというロマン派後期の作曲家に由来している。「十二音技法といういわゆる無調音楽を確率した革新的な音楽家ですが、特に初期は技巧主義ながら美しい旋律を持った素晴らしい音楽を遺しています。我々の奏でるヘヴィメタルでも、技巧的かつキャッチーで、ハードながらも美しい音楽を奏でたい、という志のもとシェーンベルクという名前を名乗るにいたりました」と、その由来を語ってくれた。

ヴォーカルのNaruは、自分たちの音楽を「聴く人の心の中で美しく輝く星座でありたい」と語る。

「心のざわめきは言葉に置き換えられない。そういった心象風景を描くことこそがシェーンベルクが表現できる音楽だと思っている」

「1stアルバムはやりたい曲を集めたアルバム。2ndはストーリー・アルバムで、“劇場型音楽”と呼べるような内容。そして3rdアルバムではある意味で“原点回帰”を心がけました。独自の世界は残しつつ一方で新しいことにも挑戦しており、ポピュラリティも意識。“宇宙”がテーマで、量子力学の観点も織り交ぜて、新しい世界を作りたいという思いで制作しました」

シェーンベルクらしい劇場型音楽に“科学”の世界を盛り込み、なんと周波数にもこだわって作られたという3rdアルバム。ぜひ多くの人に聴いてもらいたい。




・シェーンベルク - クリスタル・ド・ネージュ/SCHONBERG - Crystal De Neige[Official Video]



「ヘヴィーでモダンなサウンドながら、静と動の両面を持ったキャッチーなメタル曲です。シンガー、Naruの特性を活かした楽曲でもあります。比較的コンパクトにシェーンベルク芸術をまとめ上げています。涙で震えた白銀の日を真空パックにして曲に閉じ込め、聴く度にキラキラした切なさを味わって頂きたいです」


そんなコメントをいただいた楽曲『クリスタル・ド・ネージュ』。バンド初のMV付き作品でもある1作だ。


切なさの募った歌声は時に力強く突き抜けていき、時に消え入りそうになるなど、様々な表情を見せる。バンドサウンドも同様で、ヘヴィーであるにも関わらず、驚くほどにキャッチーで耳に残るような音を奏でる。美しさとパワフルさ、大衆性と芸術性というある種両極ともいえる要素を兼ね備えているところに、高いオリジナリティが感じられる。


自身のコメントにもあるように、“静と動”というのも印象的で、聴いていてハッとするような瞬間がある。それもまた、この楽曲の大きな魅力であることは間違いない。



・シェーンベルク「ロサ・ヴェルメンティス」SCHONBERG/"Rosa Velmentis"(Audio Stream) シンフォニック・メタル



「シェーンベルク音楽の看板のひとつ、ロサシリーズという”ロサ”を冠にした楽曲が各アルバムに配されています。この楽曲はその中の、ストーリー・アルバムである2ndアルバム『Another Veiled Story』からのハイライトチューンです。中世の劇場で高らかに歌い上げるオペレッタの"華やかさ"を描いた曲ですが、この曲を気に入って頂ければロサシリーズ、およびシェーンベルク劇場と称するライブを全面的に楽しんで頂けると思います」と話すのは、楽曲『ロサ・ヴェルメンティス』。


一言でいえば、圧倒的なポップセンスを感じる1曲。美しくて広がりがあるコーラスパートや、やはりヘヴィーながらもキャッチーさを感じるバンドサウンド、そしてどこまでも伸びていきそうな生きた歌声という武器を用いて、J-POPさながらのポップネスを感じるメロディーラインを歌うのだ。


その中で、まさに舞台音楽のようなストーリー展開も感じられるなど、もちろんポップなだけではなく芸術性も兼ね備える。

聴けば一気に、その独自の世界観へとトリップ出来る楽曲だ。



・シェーンベルク -The Ghost Ship Basilica /SCHONBERG - [Official] Audio]



「3rdアルバム『Baroque Gravity』収録曲の荘厳なアグレッシブチューンです。メロディックデスメタルやプラックメタルのようなメタルに、キャッチーな歌メロとオペラヴォイスを乗せた唯一無二の楽曲で、人気曲の一つです」と紹介する楽曲『The Ghost Ship Basilica』。


その言葉通り、冒頭からオペラヴォイスと強烈なパンチ力を持ったバンドサウンドが、圧倒的なインパクトを与える。オペラヴォイスだけではなく、彼女ならではの力強く伸びやかで美しい歌声もしっかりと聴かせているなど、シェーンベルクというバンドの音楽的な深みを感じることが出来る1曲となっている。


オペラメタルともいえるようなサウンド感に合わせて、ギターソロやラストのキメにどこかゴシックな雰囲気があるというのも面白い。




「これらの他にも、2ndアルバムのCDのみに収録した10分越えのプログレッシブメタル曲『Tragedy』や、各アルバムに収録される叙情的でたおやかなバラードの中から3rdアルバム収録の『明日へ』、一部で"宝塚メタル"と称される由縁の一員となった2nd収録の『Black Masquerade』(シェーンベルク劇場では仮面を着けてパフォーマンスします)など、様々な趣向の楽曲を擁しております。なかなか単曲では語り尽くせませんので興味をお持ちいただけましたら是非、各アルバムを曲順通りにお聴きください。シェーンベルクの世界観の全貌がお分かりになると思います」と話す彼女たち。


さらに「病気を経験し、以前とは少し世界が違って見えるから不思議な感じがしています。闘病の先、再び全力で音楽を演奏する喜びに心が打ち震えました。色々経験した上でしか歌えない歌があるんだなと。病気の怖さはこれからもありますが、今ある全てに意味があり心から感謝したいです。辛い時でもどこかに愛があること、人は何度でも立ち上がれることを、シェーンベルクの音楽を通して一人でも多くの方にお伝えしていきたいなと思っています。魂を込めた真摯な音楽を届け続けたいです。それが私の想いです(^-^)」とコメントをくれた。


そのオリジナリティとクオリティの高さは、楽曲を聴けばすぐに分かる。意外なほどにキャッチーだというのも、大きな魅力だろう。
きっとこの先も、さらなるファンを獲得していくはずだ。そのうちの一人に、今からなってみるのも、強くおすすめできる。


【リリース情報】



3rdアルバム『Baroque Gravity / バロック グラヴィティ』

RETS-017
¥2,800(税抜)

1.Gravity Overture -惑星- ,op.3
2.ロサ・インフィニティ
3.クリスタル・ド・ネージュ
4.Stay the Night
5.ロサ・ユニヴァース
6.明日へ
7.Baroque Gravity
8.氷晶と幻惑の色彩
9.The Ghost Ship Basilica
10.Misty
11.罪俗ノクターン


【ライブ情報】


6/11巣鴨獅子王
9/17厚木サンダースネイク 2マンライブ
※詳細はHP、Twitterにて