とあるマンションの210号室に住む引きこもりの少女。ある日、このままの自分じゃだめになってしまうと思い、着ていたジャージに何やらゼッケンを縫い付けた!ネットで購入したエプロンを身にまとい、彼女はニート界の店長としてVtuberになったのであった。


初配信は2022年8月11日。以降、歌枠をメインとして活動を展開。その他、ゲーム配信にて、子供の頃にやりたくてもできなかったゲームをプレイしている。元々VTuberという業界のことを何も知らないまま活動を開始。


小さい頃から歌が好きで、音楽の仕事をしたいと両親に伝えるも、難しいと言われていた。けれども諦めることができず、高校時代の友人にアイドル活動をしている知り合いを紹介してもらい、その子から話を聞き、「どうにかして自分も歌手になれる道がないか」と模索したが、やっぱり無理だと思い断念。そして、一旦は普通に就職。


しかし、たまたまVTuberが歌っているのを見たときに「これなら自分にもできるかもしれない」と思い、一念発起。就いたばかりの仕事をたった数ヶ月でやめる。


始めた当初はPCの知識もまったくなかった。それなのにVTuberならできると思った理由は、Vtuberの始め方が検索でわかりやすかったから。ただ結果的には、「たまたま情報が見つかりやすかっただけ」だった。


初配信のときの登録者数は40人。それから鬼のように配信をして、プロモーションに励む。毎日約10時間の歌枠を開催するなどして、着実に登録者数を増やしていった(2024年3月時点で1万人以上)。


歌う曲は、自分の低めの音域に合わせて、女性が歌いづらいような曲を選ぶことも多い。また年に1曲はオリジナルソングを発表していて、2024年8月にもオリソンを発表予定。




・【初オリジナル曲 / original】夢花火 / 萌水 団【#vtuber #個人vtuber 】



「はじめて自分で作詞を担当。自分にとっては何から何まで初めてとなった、思い入れのある曲。夏の終りにぴったりな曲で、エモさに全振りした作品となっている。自分がJ-POPが好きだということもあり、他のVTuberとは違うイメージだと思っている」と話す初めてのオリジナル楽曲『夢花火』。


自身の言葉にもある通り、ボカロ文化とも深く通じるであろう、現代的なVTuberソングとはまた少しテイストが異なるというのが一つの大きな特徴だ。和風なメロディーラインに、シティポップともリンクするような軽やかでお洒落なサウンド感という個性が、異彩を放つ。


そんな個性を持ちながらキャッチーさも抜群なので、きっと多くの人が楽しめる1曲だといえるだろう。



・【歌ってみた】ラヴィ/すりぃ - 萌水団(cover)【新人Vtuber】【Vsinger】



「実は可愛い曲を歌うのが苦手で、普段からリスナー様にリクエストされても高確率で断っている。でもやっぱり聴きたいと言われるので、みんなを喜ばせようと思って自身の可愛いを引き出すために選んだのが【ラヴィ】だった。結局リスナー様からは『かっこいい』と言われてしまったが、自分的にはかなり可愛く歌ってみたので、秘められた可愛さを見つけてみてほしい」と、振り返る『ラヴィ』の歌ってみた動画。


確かに同作にもかっこいい雰囲気は溢れているが、ちょっとした語尾や発声の仕方など、可愛らしさの要素もふんだんにまぶされている。クールなカッコよさと、そんな彼女なりの可愛らしさのギャップに、聴けば聴くほどハマってしまう。まさに沼の入り口的作品だと言っても過言ではないだろう。


聴くたびに新しい魅力が発見出来るというのも一つの魅力なので、是非何度も聴いていただきたい。


・【歌ってみた】夜撫でるメノウ/Ayase - 萌水団(cover)【新人Vtuber】【Vsinger】



「自身の特徴である低音をアピールしたかったので、女性キーのオケではなく、男性用のキーで歌っている。『ラヴィ』とは反対に、かっこよさを聴いてもらいたい」という作品『夜撫でるメノウ』の歌ってみた。


Ayase氏の何とも言えない柔らかい歌声に切なさを感じる同作だが、彼女が歌うこのバージョンにも、同様の柔らかさがあり、やはり切なさが募る。決して女性にとって歌いやすいキーではないように思えるが、無理なく音がとれているように聴こえることから、彼女の低音の魅力が伝わってくる。


そんな歌唱力の高さを存分に堪能するもよし、楽曲の世界観にどっぷりと浸りながら楽しむもよしな1作だ。




「今年の目標はチャンネル登録者2万人。VTuberはアニソンやボカロ曲に詳しい方が多いと思うが、自分はそういったジャンルにまったく詳しくない代わりにJPOPを得意としている。それを強みにして、同じように2次元にあまり興味がない人にもアピールできるようになりたい。小さな頃から歌手に憧れていたので、自分の曲を持つのがずっと夢だった。自分にはまだ無理かと思っていた事が、活動していく中でだんだんと支援をいただけるようになり、リスナー様のおかげで多くの夢を叶えることができた。これからも応援してくれるみんなに活動の中で恩返しをしていきたい。機会があればライブもやってみたい」。


この先の活動の目標や展開について、そんな風に言葉を紡いでくれた彼女。ふくよかで柔らかい低音と、それを生かしたカッコよさという個性と魅力を持つ彼女の歌は、もっともっとたくさんの人に届くべきものだ。


この先その歌がどこまで届くのか、是非楽しみに追いかけていっていただきたい。