大阪出身のシンガーソングライター、カミカワユウナ。
高校時代に弾き語りを始め、2020年8月からライブ活動を本格的にスタート。
テイラースフィフトやエドシーランなどの洋楽・英詞から影響を受けた転がるような語感を日本語に落とし込み、制作を続けている。
アートワークも自ら手がけ、バンドセットでのライブも精力的に行なっている。
最近特にバンドセットに力を入れている理由は、曲を作ることが好きで音楽活動を始めたということもあり、自分の思い描くものを具体化させていく上でバンドセットの方が伝えられることが多いと思ったから。
・カミカワユウナ「DTR」Music Video
「曲を作る時にはこれ面白いんじゃないかな、これは新しいんじゃないかなと思って作る」というカミカワユウナ。
そんな彼女による最新作、2025年7月31日リリースの楽曲『DTR』。
今はバンドセットに力を入れている彼女だが、この作品はバンドサウンド的な疾走感とデジタルな打ち込みサウンドを掛け合わせたような1作に仕上がっている。
ライブ映えもするし、一人で聴く際にも心地よく響いてくる柔らかさがあるなど、そのサウンドは様々なシーンに共鳴するだろう。
それは海の向こうの音色のムードだが、でもメロディーラインはキャッチーで、日本のポップスシーンのど真ん中で戦える耳馴染みの良さがある。
そんなバランス感覚が、面白い。
・カミカワユウナ「水槽」Lyric video
まるで水の中で聴いているかのような、柔らかく広がっていく美しいサウンド感が印象的な楽曲『水槽』。
そんなサウンドの中で《あなたは私を閉じ込めてる水槽なんだ》と、切ない愛を歌う。
音の美しさは愛の美しさを感じさせるもの。
でも歌詞の切なさが、その愛が美しいだけのものではないことを教えてくれる。
音と言葉のリンク感・表現性が素晴らしく、身体ごとその世界観の中にダイブさせてくれる1曲だと言えるだろう。
・カミカワユウナ「結(YOU)」Music Video
《もうずっと僕とぎゅっとぽっとほっぺを赤く染める》と歌うサビのフレーズのハネ感がとても気持ち良い楽曲『結(YOU)』。
全体のバンドサウンドでもそれは同様で、終始耳が気持ちよく、幸福感が漂う。
それはやはりこの楽曲で描かれている世界観自体に幸福感があるからだろう。
そしてその幸福感が可愛いから、聴いているうちに心に優しい気持ちが、あたたかい気持ちが溢れていく。
アイスクリームやシャワーヘッドをマイクに見立てて歌うMVにもそんな、心をあたたかくするような可愛らしさが現れているので、是非MVも合わせて楽しんでいただきたい1作だ。
この先の展望を尋ねてみると「曲はコンスタントに出していきたいと思っている。アルバムは作ろうと思ったことがあるけど、今はシングルをコンスタントにという考え。自分が常にワクワクして音楽を作っていける状況を作って、それを音にして発信していきたい!」と答えてくれた彼女。
もちろん、ライブで直接生の音に触れるのもおすすめだ。
●2025年7月31日(木)
『くるくる<3』w/ ニューアヤカ(band set)