インターネットを活動拠点とするシンガーソングライター兼ボカロP、メレル。

作詞、作曲、編曲、演奏、歌唱、エンジニアリング、アートワークやMVまで、

肩書きに縛られずすべてを一人でこなすマルチな制作スタイルをとる。


作曲を始めた当初はバンドをやりたいと考えたが、結成後まったくうまくいかず即解散、

もともと好きだったボーカロイドを使用した楽曲を作るように。

いざ初音ミクが歌ってみたら自分で歌うのとはまた違った化学反応を感じ、その魅力に惹かれる。


そして2016年よりVOCALOIDを使用した楽曲を動画サイトに公開。

翌2017年niconico内で初の殿堂入り楽曲となる『宵闇幻燈』で注目を集める。

2018年にはボーカロイド楽曲を中心とした1stアルバム『BROKEN FLOWERS』をリリース。


以降も動画サイトにボカロ楽曲、それに伴うセルフカバー楽曲をコンスタントに発表。

また『SNOW MIKU』公式コンピレーションアルバムへの楽曲提供などを通し精力的に音源制作を行う。


その後、しばらくの休止期間を経て、2021年より自分の歌声をメインとした

シンガーソングライターとしての活動を本格的に開始。


ここにきて改めてシンガーソングライターとして本格的に活動していきたいと思ったのは、

「最初に音楽をやろうと思った時に近いスタイルでまた表現してみたい」ということから。

自分の原点に帰り、自身の音を届けていく。




・メレル「SLATE DOOR」 MV



小気味よいギターサウンドと、HIPHOPにも通じるようなトラックを

中心に描かれる楽曲だが、そのサウンドにはどこか不穏な空気が漂う。

それは夜の暗さや、一人の時間と抜群にマッチするような質感だ。

しかしサビに入ると視界はパッと開ける。


とはいえ不穏な空気感が完全に飛ばされるわけではなく、

強めにコーラスがかけられたようなケロケロとした音色にどこか不穏さは残るが、

それでも全体的にどこか開けていくのだ。その絶妙な抑揚がクセになる1曲だ。


そんな同曲に対して彼は以下のようにコメントしている。

「“諸行無常、人の心も世の中も常に変容し続けるものである”ということと

“変えようにも自分の中に深く根付いて変えられないものがある”ということ、

それぞれの諦めと矛盾の隙間に、ともすれば誰かの夜明けに繋がりうる光があるのでは、という考えがあった」

その想いは、間違いなく音に現れている。



・メレル「宵闇幻燈」feat. 初音ミク



≪腐敗していく 二人の距離 予想通り運ぶ映画みたい≫

≪くだらない映画は終わっていく この先に途は無いんでしょう せめて今だけ 綺麗に笑ってみせて≫

という独特の言葉選びで描かれる、何とも言えない切なさを覚える世界観。

それをカワイイ雰囲気の電子音と、切れ味の鋭いギターが印象的なバンドサウンドで奏でる1曲『宵闇幻燈』。


初音ミクの愛らしい歌声とセンチメンタルなメロディーラインとのギャップや、

カワイイ電子音とバンドサウンドとのギャップなど、抜群のバランス感覚から創造されたギャップに、センスが光る。

そんな同曲は自身の楽曲、さらにはボカロ楽曲の中では珍しく、MV・アートワークに人物がでてこない楽曲となっている。


それは「動画として目を引くようなわかりやすいインパクトが足りず、仮にそれによって受け取ってもらえる機会が

減ったとしても、この作品には人物を描かないほうがいい。楽曲にとって余分な情報になってしまう」という判断から。


結果的に自身の楽曲で一番再生回数がまわった人気の楽曲となり、

「あるべき姿で楽曲が正しく届けばちゃんと理解してもらえるという

実感が得られ、ひとつ自分の中で救われた曲」となった。



・メレル「廃園遊戯」MV (self cover)



ロックバンドサウンドを目指した音で描かれている1曲『廃園遊戯』。


メロディーラインにも疾走感が漂い、鋭利なギターが存在感を放つアップチューンな楽曲ではあるが、

≪手を繋いだいつかの声が 呆気ないまでに遠ざかった これできっとお別れねって ただ陰りゆく街を背に零した≫

と歌うそのストーリーは決して明るいものではない。


それは「この速さは心が躍る、楽しい感覚ではなく焦燥感、切迫感によって心拍数が上がる感覚を表現しようとしたもの」

と語られた言葉からも分かるだろう。


セルフカバーは「ボカロでは出ない生身の声だからこそ発生する魅力がほしい」という意識で制作。

感情を押し出すように響く歌声も、そんな楽曲の世界観を確かなものにしている重要な要素であることは間違いない。

歌声の魅力を強く感じられる1曲だ。


自身で制作しているMVは、はじめてのアニメーション作品となっている。

映像も合わせて堪能することで、さらに入り込んで聴くことが出来るだろう。




“いい曲を作り続けたい”

「これまでもこれからも、活動のすべてがこの一言に集約できる。

その前提で可能な限りたくさんの人に聞いてもらいたい」という彼。


また「音楽というものは、聴覚情報だけじゃなく、記憶や体験に密接に結びつくものだと思う。

聴いてくれた人、その個人の生活に花を添えるように機能できたら」とも話してくれた。


その音と言葉はきっと、誰かの今に寄り添い、いつかそれを振り返る際のきっかけになるだろう。

そしていつかの未来で、またその瞬間の自分に寄り添ってくれるはずだ。



【リリース情報】

2021/7/29より各種各種サブスクリプションサービス・ストア配信開始

1st ALBUM『BROKEN FLOWERS』

販売サイトはコチラ 

https://merelerem.booth.pm/