1993年生まれ。職業作家としても活躍するシンガーソングライター、澤田空海理。


文字は読むのも書くのも好きで、歌詞への思い入れが強いというのが一つの特徴。

そしてその歌詞と、それを描く歌声から、たくさんの感情が届けられる。

2021年3月には“Sori Sawada”から本名の澤田空海理に活動名義を変更。


名義を変更したのは、「音楽で自分の想いや考えを発信することを大切にしているんですが、それは本名を出していない、匿名の安全圏からだから自由に物事を言えているんじゃないのか、と思うようになった。もともとあまり顔も出して活動してこなかったけれど、本名も顔も出して、自分の創作にしっかり責任を持った上で活動していこうと思ったのがきっかけ」。


作編曲家としても活動してきたが、現在はシンガーソングライターをメインとして活動中。

2022年2月には本名名義になってからの初のアルバム『振り返って』がリリース予定となっている。


そんな風にたくさんの曲を作りつづけているモチベーションは、「モチベーションというか、曲を作ることが生活の一部となっていること」だそうだ。




・「曖昧に甘い」




2022年2月にリリース予定のアルバム『振り返って』収録曲。


同アルバムのコンセプトは“手紙を書こう”。「手記のようなもの。明確にこの人に向けて書いているという相手がいるわけではないけど、とても個人的なことを書いたアルバム」になっていると話してくれた。


そんなアルバムに収録されているこの楽曲『曖昧に甘い』は、「誰が聞いてもわかりやすいリード曲というものを制作しようと思い作った」楽曲。

描かれているのは、気持ちにズレのある二人。登場人物の男は端的にいえば嫌な男だといえるだろう。「嫌な男を描く際、自身を一番最初に想起した。言葉の受け取り方、流し方、他人と正面から向き合わない姿勢への皮肉でもある」とのこと。


≪吸わないのなら火は消して。不快な煙だけ寄越さないで。困ったら煙に巻かないで。逃げないで。そのまま座っておいてよ。≫≪大概、君が折れたフリ。それって、すごく、すっごくさみしいね。≫と歌う1サビから、この二人の関係性や、女性側の想いが特に伝わってくる。基本歌詞先行で楽曲を作るという彼。まず歌詞を書いて、楽曲を作って、そこから全体の物語を再構築するそうだ。そんな風に描かれたこの楽曲は、痛いほどにリアルだ。

映像は福田大介が務める。澤田が書いた脚本を二人で擦り合わせながら男女の像を決めていったそうだ。ゲストボーカルには千鎖が招かれ、どこまでも澄んだ声と歌詞の細部を拾い上げるような表現力で楽曲の魅力を引き出している。



・澤田 空海理「じょー」Music Video



2021年9月にデジタルリリースとなった楽曲『じょー』。


昨年、飼っていた愛犬が亡くなってしまった澤田。
「中学生のころからずっと一緒に育ってきた愛犬で、実家からじょーの危篤の知らせがあったが、上京していた自分は結局手向けのひとつも贈ることができなった」という。

この楽曲『じょー』は、その後に“じょー”に向けて書いた楽曲だ。


「僕は悲しいんだ、という気持ちは書きたくない。現状の自分や、いま起こっていること、ありがとう、安心してね、という気持ちを伝えたい」との思いで描かれているこの楽曲からは、一言でいえばとても強い愛を感じる。きっと一度でもペットと同じ時間を過ごしたことがある人、あるいは大切に思う誰かがいる人には、深く刺さるものがあるだろう。


MVは映像作家の吉田ハレラマ氏のアイデアで進んでいったそう。「映像で説明しすぎないところが良い。こういう曲だから、過去の思い出にフォーカスしそうなものだと思っていたけれど、このMVは僕自身にフォーカスが当たっている。それがいい。画の隙間の使い方が上手」と、自身でも絶賛の仕上がりになっているので、是非映像も合わせて楽しんでいただきたい。


・澤田 空海理 - Youtube Music Weekend (garage session)



自動車板金工場にあるスペースにて行われた配信ライブ映像。


普段の活動とは別に、アーティスト仲間とやっている趣味のジャズバンドがあるという彼。この日のバンドメンバーは、そのメンバーも参加しているとのこと。


「レコーディングのうたとライブのうたは別物で、ライブではより生の感情を届けることが出来ると思っている」と話してくれたが、その言葉通り、リアルな感情を覚える歌詞に、さらに感情が乗っているように感じられる。そしてその感情に引き込まれるのだ。アコースティックなサウンド感や映像のムードもあって、より身近な雰囲気が漂っているというのも、没入感を高めている一因だろう。


ちなみに「もともとライブ活動は全然やっていなかったが、来年からは弾き語りとバンド形式どちらもやっていこうと思っている。特にバンドでのライブを増やしていきたい」との言葉ももらっているので、今後のライブ展開への期待も高まる一方だ。




2月23日にリリース予定の最新アルバム『振り返って』。

同作のリリースに合わせて「ライブも考えている」とのことなので、まずはそれを楽しみに待っておきたい。

そんな彼にこの先の展望を尋ねてみると、以下のように答えてくれた。


「これまで作家の仕事、音楽家としてできることはやってきた。人に見せられるものを作れる様になったという自負もあるので、今後はそれを実績としてちゃんと結果を出す。自分の音楽の価値を目に見える形で感じたい。売れます。」


きっとこの先、彼の名前を目にする機会もますます増えていくことだろう。今チェックしておいて損はない、ミュージシャンの一人だ。


【リリース情報】



タイトル:振り返って
発売日:2022年2月23日
品番:SNCL-00064
価格:1800円+税
仕様:CD1枚組
収録曲:
1.与太話
2.魚と猫 
3.曖昧に甘い
4.カメラシャイ
5.望春
6.またねがあれば
7.愛猫
8.振り返って
【Amazon メガジャケ付き】https://www.amazon.co.jp/dp/B09QSMFQ4H
【タワーオンライン】https://tower.jp/item/5305385



【LIVE】


西片梨帆 × HOTSTUFF × WALL&WALL
"睦月"
2022年1月29日 (土)
表参道WALL&WALL

出演:
澤田 空海理
西片梨帆

開場 18:00 / 開演 18:30

【チケット情報】
前売 ¥3300+1D
<販売期間:12/9 21:00 〜 1/29 23:59>

*入場時の混雑を避けるため、WALL&WALLではドリンクチケット代込の前売り券をZAIKOにて販売させて頂いております。

前売り券をご購入頂きますと、入場時のドリンクチケット代はお支払い頂く必要がございません。


チケット購入先URL:

https://wallwall.zaiko.io/_item/345128


WALL&WALLオフィシャルイベントページ:

http://wallwall.tokyo/schedule/20220129_nishikatariho/