圧倒的な演奏力と緻密に構築された楽曲の数々で高い評価を集めるオルタナティブロックバンド、aquarifa。
2010年に現体制で活動を開始したaquarifaは、活動一年目でタワーレコード主催のオーディションに入賞するなど早くから注目を集め、メンバーチェンジを重ねつつライブシーンでの活躍と作品発表の両面で実績を挙げてきた。
SUMMER SONICへの出演や複数回のワンマンライブ成功、リリースツアーの開催などでライブバンドとしての評価を高める一方で、コンスタントにミニアルバムを発表して世界観を確立。中でも3rdミニアルバム「マーニの秘密」はオリコンインディーズチャート週間12位のヒットを記録するなど、その活動を通して2010年代の邦楽ロックシーンの中で確固たる立ち位置を築き上げた。
2017年2月には渋谷WWWでのワンマンライブを行い、それを以て無期限の活動休止。
しかし、2019年には活動を再開したことでロックファンの間で話題を呼んだ。
・aquarifa 「switch」
2nd Mini Album「月明かりのせいにして」に収録されている「switch」は、aqualifaの代表曲と呼べるナンバー。
テクニカルなギターカッティングがインパクトを見せるイントロ、疾走感がありながらも緻密に構築されたバンドアンサンブル、そして繊細な感情の機微をエモーショナルに聴かせる女性ボーカル。全ての要素が絶妙に絡み合って独自の世界観を生んでいる。
確かな実力を誇り、かつロックバンドとしての熱量も併せ持つaqualifaの個性を見せつけてくる一曲としてまず聴いてほしい。
・言葉が君にとどくまで / aquarifa (2021.01.29@下北沢ERA LIVE MV)
結成10周年を記念してリリースされたベストアルバム「君と見た月をさがして」。その最後を飾る楽曲「言葉が君にとどくまで」は、以前限定グッズにのみ収録されていた貴重な1曲であり、aquarifaの持ち味のひとつである緻密な音楽世界を極限まで研ぎ澄ませたミディアムナンバーだ。
aquarifaという存在の、ひとつの集大成として必聴だ。
・aquarifa 「closet」
1st Mini Album「scene」のリード曲であり、バンドの最初期からの楽曲である「closet」も、aquarifaを知る上で欠かせない一曲。
どこか初期衝動的な激しさがありながらも、確かなテクニックに裏打ちされた技巧的なアンサンブルにはその後の彼らに繋がる表現スタイルの輪郭が見て取れる。
aquarifaとしての個性がこの頃から確立されていたことをうかがわせる、10年越しに聴いても緊張感と美麗さが全く色褪せないキラーチューンだ。
再始動後もライブから作品発表まで、ひとつずつ着実に活動を続けているaquarifa。
一つひとつの活動を大切に積み重ねていきたい、という思いで前進しているそうで、彼らの音楽世界が今後どのように広がっていくのか今から期待が高まる。邦楽ロックシーンの中で独自の立ち位置を築き、その表現を研ぎ澄ませていくaquarifaから、これからも目が離せない。
2022年3月25日(金)