E TICKET PRODUCTIONプロデュースのガールズラップグループ、MIC RAW RUGA(マイクロウルーガ)。
VIDEOTHINK所属。
19年10月、『CONCORDE』『Right Now』などを収録した1stEP『CONCORDE』を全国発売。
同作はライムスター宇多丸の連載コラムにて「突き抜けた90’sヒップホップ愛」と評価を受けた。
翌20年2月には川崎CLUB CITTA’開催の『@JAM』に出演。また同月、代官山LOOPにて1stワンマンライブを開催。
さらに1stシングル『dog kawaii』をリリースし、『ライムスター宇多丸のアフター6 ジャンクション』(TBSラジオ)にて「本格的にきっちりやり切ることで批評性すら出ている」「めちゃめちゃキャッチー」と評された。
21年6月にはラッパーのGOMESSをフィーチャリングしたシングル『Moon Reverb feat.GOMESS』をリリースし、GOMESSとのツーマンライブを開催。
9月にもシングル『Go Forward』をリリースした。11月には2ndワンマンライブを渋谷O-Crestにて開催し、成功をおさめた。
また、同ワンマンライブにて、グループ名を変更。
これまでの『MIC RAW RUGA(laboratory)』から、“研究生”を意味する(laboratory)を外し、『MIC RAW RUGA』としている。
・MIC RAW RUGA(laboratory) - Go Forward [MUSIC VIDEO]
2021年9月リリースのシングル『Go Forward』。
コロナ禍の混乱した世界の中でも“前進するのみ”というメッセージが込められている。
歌詞にもコロナ禍のことが随所に含まれており、切り裂くような前進力を持った1曲だ。
それは鋭いラップスタイルだけではなく、攻撃的な荒々しさを持つハードなサウンド感においても同様。
ガバキックが後半につれて強くなっていき、それとともに楽曲としての攻撃力も後半にかけて増していくので、聞いているうちに自然と熱量が高まっていくだろう。
ちなみにメンバーのAKIRAは、元NMB48の渡辺美優紀やVtuber・神楽めあなど他アーティストへの振り付け提供や、欅坂46のNHK紅白歌合戦出演時やMV、ラストライブでバックダンサーを務めるなど、プロのダンサーとしての経歴も持つ。
ゆえに同作では、サウンドやラップのカッコよさもさることながら、MVでのダンスのカッコよさにも注目していただきたい。
・MIC RAW RUGA(laboratory) - Moon Reverb feat.GOMESS [MUSIC VIDEO]
“自閉症と共に生きるラッパー”として注目を集めているラッパー・GOMESSとコラボして制作した楽曲『Moon Reverb feat.GOMESS』。
タイトルにもあるように「月」という言葉が象徴的に使われている作品だ。
≪人生って結局なんだろう?ラストバースを蹴るためのイントロ?≫≪あんな日もあったねって 笑えるからねって わかってるけど不安は消えない≫。
そんな言葉に心が救われる人もたくさんいるのではないだろうか。
・MIC RAW RUGA(laboratory) - CONCORDE(Live 211002)
90年代ヒップホップの要素を取り入れた、彼女たちの代表曲的楽曲『CONCORDE』。
ちなみに曲名は、レコードの針のメーカーと飛行機のコックピット内の名称をかけたものだ。
こちらは、2019年10月リリースのそんな同曲の、ライブパフォーマンス映像。
キックとスネアが光るようなトラックに、キュートめのラップ。
そんな90年代を彷彿とさせる空気感は、懐かしく感じる層と、新鮮に受け取れる層の、そのどちらにもクールに聴こえるものなのではないだろうか。
さらにいえば、機材用語が散りばめられているなど、コアな音楽ファンに刺さる要素もある。
幅広い層をぶち上げてくれる1曲だ。
今後の展望を尋ねてみると、「多くの人に好きになってもらえればいいな。ラップの曲だけど、曲としてすごくポップなので、誰にでも聞いてもらえると思う」と話してくれた彼女たち。さらに「女性ラップはまだまだ認知度が足りないジャンルだと思うので、そこを埋めていける存在になりたい」と続けた。
音楽的な質の高さに加えて、確かなスキルも感じさせる彼女たちが、この先ガールズラップを牽引する存在になっても何も不思議なことはない。
【リリース情報】
「Go Forward」