名古屋発の“ニッチでポップなバンド”、KADOMACHI。
ポップでありながら一筋縄ではいかない雰囲気があるサウンド感が魅力で、大衆性とコアな音楽ファンのツボにはまる特性が同居する。
・KADOMACHI「むだごと」MUSIC VIDEO
細川作曲の1曲『むだごと』。
この楽曲はなんといっても、真ん中でテンポチェンジがあったり、イントロでいなたい空気を覚える不思議な音色を鳴らしたり、特徴的なシンガロングがあったりするなど、楽曲の展開や雰囲気が想像を超えていくという点に惹きつけられる。
それでいて楽曲全体としてのまとまりはあるので、聴いていて嫌な違和感を覚えることはない。心地よい違和感に、引き込まれてしまうのだ。少しセオリーから外したこの雰囲気が大好物だという人は、多いのではないだろうか。
テーマは遠距離恋愛で、「ラインでしか繋がれてないのに、何を信じればいいの?」という、考えすぎちゃうようなメンタリティーを描く。そして後半の一気にパキッとしたギターロックに変わっていくところで、答えが見つかった感じを表現。そんなストーリーの表現の仕方も、見事だ。
・[LIVE RECORDING] KADOMACHI “つまさきだち” In 比良温泉
レコーディングも出来る細川。普段から行きつけとしている比良温泉である日、「この温泉のリバーブで作りたい」とふと思い、自身の大学の研究テーマにも絡めて、温泉でRecをすることに決めたそうだ。
柔らかいリバーブ感と楽曲の牧歌的なサウンド感、そして美しいコーラスワークが実にマッチ。等身大な歌詞の世界観も相まって、何とも満たされた気持ちになる。温泉でバンドサウンドを奏でるという、他ではまず見ないであろう視覚的な独創性も、楽曲の没入感を高めているといえるだろう。
ちなみに、今後も色々な場所で録ってみたいと考えているとのことなので、期待しておきたいところ。
・KADOMACHI pre.“Packing”(Aftermovie)
Recもできる強みを生かした面白いライブイベント『Packing』。
参加バンドのその日演奏した1曲を細川が、ライブが終了し次第すぐにMix。それをイベント中に完了させ、各アーティストのライブ音源と同曲のオリジナル音源を収録した当日限定Packing Discを終演後に即売するという独自性の強いイベントとなっている。
ライブの体験における五感による記憶と、耳だけで聴くライブ音源、日頃聴いているオリジナル音源。これら3つを楽しめるKADOMACHIならではの企画だ。
ライブの空気感をそのままお持ち帰りできるというのは他ではまず見られない。そして何よりこの映像から伝わってくるそのライブの空気感自体が、すごく心地よいのだ。それを何度も噛み締めることが出来るというのは、魅力以外の何物でもない。
「レーベルに所属して、よりアクセルを踏んでいきたい気持ちはあるが、だからといってスタンスを変えるつもりはない。KADOMACHIはいい意味で内輪ノリのバンド。自分たちの持つ雰囲気や価値観を、そのまま受け取って欲しい。そして最終的には自分たちの尖った音楽観をそのまま受け取れるように、リスナーを育てていきたい。全員をコアな音楽ファンにしたい」と、話す彼ら。
murffin Lab.より New Single「カド・マル・サンカク」 リリース決定!
収録曲