絵を描き、動画を作る熊、hiMe(はいむ)。


配信者としての活動だけでなく、自身で絵を描いたり動画を作ったり、さらに昨年10月にはVTuberとしてデビューしてから1年足らずでオリジナル楽曲をリリースするなどジャンルにとらわれないマルチな活動を展開。


かつては動画投稿者として活動していた背景があり、ゲーム『どうぶつの森』シリーズに登場する『とたけけ』と言うキャラクターを使って歌を歌わせる動画を投稿していたが、元々自分で歌うという事に対しての興味は持っており、VTuberをはじめたタイミングで自身でも歌うようになっていった。


2021年12月24日にVTuberとしての初配信を行うと、以前から行なっていた毎週木曜日20時半からの配信に加え、日曜の朝にラジオ感覚で楽しめるようなゲーム配信を行っている。その他、歌枠、飲みながらの雑談や、時にバラエティ性のある企画も開催。


『週の始まりを元気にするため』と言うコンセプトのもと、月曜の朝には8時からSpotifyにてポッドキャスト配信も行っている。アーティスト名はhiMe(はいむ)だが、配信では『熊のはいむおじさん』と名義・呼び名を使い分けているというのもポイント。




・世田谷ナイトサファリ / みきとP covered by hiMe



2022年の10月に録音し、翌23年の4月に発表した『世田谷ナイトサファリ』のカバー。


「10年ほど前の曲で、リアルタイムで聴いていたときからMVの演出共々に衝撃を受ける程に大好きだった。もし将来“歌ってみた”を出すときは絶対にコレだと思っていたほど、思い入れが強い曲。そのため原曲の世界観を大事にし、リアリティを意識。裏のコーラス、合いの手、MVなどもかなり原曲やみきとP歌唱のセルフカバーに強くリスペクトを受けた構成にした。イラストも原曲のMVに寄せた絵柄で自身が手がけた。10年間聴き続け、温め続けた作品。原曲の世界観に寄り添いながらも自分の味を出せたと思う」。


そんな風に話す同作では、エッジの効いたバンドサウンドと、ざらついた質感の歌声が抜群にマッチする。歌声から伝わる感情もリアルなもので、楽曲に漂うなんとも言えない独特の切なさややるせなさのようなものがさらに際立って響く。


楽曲の良さに改めて気が付かされる歌ってみたであると同時に、hiMeの歌声や表現力の魅力も十二分に伝わる、完成度の高い作品だといえるだろう。



・業曝し/ hiMe



「初のオリジナル曲で、以前よりhiMeのファンだったという霄(みぞれ)さんが、hiMeをイメージした歌詞と楽曲を書き下ろしてくれた。歌詞を読み込んでワンフレーズごとに唄い方やアプローチの仕方を変えるなど、とにかく大切に、意識的に歌った。そうやってひとつひとつ探りながら歌うことで、歌詞を自分なりに解釈していくところから始めて、完成させていった。他のカバーでもそうだが、歌唱力にはまだ自信がないので、そのぶん歌詞の世界観を表現する感情面をかなり大事にしている。その側面が大きく出た、自身にとっても大切な作品の1つ」とコメントをくれた、自身初のオリジナル曲『業曝し』。


先の『世田谷ナイトサファリ』での歌声と比べて、さらに毒気やワイルド味、もっと言えば色気すら増しているように感じられる歌声で描かれており、第一声からして、彼の歌の表現の広さに驚かされる。さらに、スッと力が抜ける瞬間があるなど、実際に感情表現を丁寧に、大切に描いていることもはっきりとわかる。


大きな魅力といえる深い響きの低音も特徴的に響いており、hiMeの歌の良さが全面に出た1曲となっている。


・はむライブ EDアニメーション【ノンクレジットVer】



「キャラクターデザインを手がけて下さったヒャクさんが作画を担当してくれた」という、自身の配信のエンディング映像。


「絵コンテや演出は自身で作成し、世界観をヒャクさんに伝え、それを見事に再現してくれた。背景にはこれまで配信でやってきたゲームの要素が沢山盛り込まれていて、普段より配信を追ってくれている人には思わずニヤリと出来るような小ネタが仕込まれた内容となっている。この動画は、登録者7,000人を達成した際の記念に、『推しててよかった』と思ってもらえるようにファンへのプレゼントとして作ったもの」という同作は、哀愁のある雰囲気から始まり、カラッとした明るい雰囲気へと変わる。


その明るい雰囲気の中で、とかくたくさんの表情を見ることが出来て、癒されるというのが一つの魅力だろう。次の配信も見てみたくなるような、余韻を残す映像作品だ。



そんなhiMeは5月21日(日)の夜に歌枠を開催した。


https://www.youtube.com/live/wA0df5Vz2C4


「本腰を入れて歌う配信は今年初」だったとのこと。今回に限らず、歌枠はいつも音楽スタジオを借りて、ライブのような雰囲気で配信しており、是非一度アーカイブを覗いてみていただきたい。サムネイルイラストもイラストレーターに描き下ろしてもらうなど、力を入れている。


そんな彼にこの先の活動について尋ねてみると、「今後はゲーム配信も音楽も、バラエティに富んだ企画等、ジャンルに拘らずに積極的にやっていきたい。話を考えるのが好きで文字書きとしての側面もあるので、小説や台本などの執筆活動や作詞活動にも興味がある。ひとつの動画にかなりの熱量をかけてしまいたくなる性分なので、どうしても更新頻度は遅くなってしまうが、歌関係の動画はさらに増やしたいと思っており、表現力アップのため日々歌唱トレーニングにも励んでいる。いつか大掛かりなライブをやってみたい。CMからもお呼びがかかるような、企業VTuberに負けないくらいの存在になりたい。性別や趣向に関係なく、いろんな人に見てもらえる存在になりたい」とたくさん話してくれた。


他にない雰囲気の歌声の持ち主であり、表現力も豊か。

長く追いかけていける存在であることは確実なので、是非今後の活動も追いかけていってもらいたい。