岩手県水沢市(現·奥州市)出身のシンガーソングライター、松本哲也。
幼少期に預けられていた児童養護施設の保父さんが弾くギターで音楽に興味を持ち、中学1年の時に中古のギターを購入。
独学で覚えたコードを弾きながら日記などにメロディーをつけ、曲作りに夢中になる。
2002年、ワーナーミュージックジャパンより『翼』でメジャーデビュー。
2004年、生い立ちに迫ったドキュメンタリー番組・日本テレビ『NNNドキュメント’04』が全国放送。
大きな反響を受け半生を綴った告白記『空白』を幻冬舎から刊行。作家『村上龍』氏が帯にコメントを寄せる。
2011年、震災から1ヶ月後の4月11日より、エンターテイメント一体型炊き出しキャラバン『いわて三陸復興食堂』を仲間たちとスタート。
被災し家を失くしたすべての人が仮設住宅に入るまでの約1年半、ほぼ毎週末被災地で開催。
2013年、自身の半生と亡き母をモデルにした、鈴木砂羽主演映画『しあわせカモン』が全国公開。
同時に書き下ろしの主題歌『ユキヤナギ』で10年ぶりにワーナーミュージックジャパンから再びメジャーデビュー。
2016年、岩手県大船渡市から「さんりく大船渡ふるさと大使」に任命される。
2021年には初のセルフプロデュースとなるアルバム『GLASS FANGS』をリリース。
ブックレットやジャケットデザインなど自ら手がける。
これまでにオフィシャルでリリースされたCDはシングルアルバム含め16枚。
生い立ちや音楽活動は映画やドキュメンタリー番組、テレビの特集などで多く取り上げられてきた。
現在自身の音楽活動とは別に地元岩手でラジオパーソナリティーや他アーティストへの楽曲提供、
CMソングやテーマソング制作など幅広く活動。
2022年、メジャーデビュー20周年と大きな節目を迎える。
・松本哲也 - 虹 -【Official Music Video】
アルバムのジャケットやブックレットのデザインも自身で手掛けるなど
セルフプロデュースで制作したFull Album『GLASS FANGS』の収録曲『虹』。
MVは岩手県大槌町にて撮影している。
切なげなメロディーラインの中に開けていく希望を感じる1曲で、それは≪さよなら 弱虫な僕≫
≪約束をまたどんなに汚してしまっても 僕らは明日を捨てたりなんかしないさ≫と歌う歌詞からも感じられる。
その希望が、胸に響くのだ。
実際この楽曲は「震災後炊き出しをしながら被災地をまわっている時、
絶望的に変わり果てた瓦礫の町の中できれいな虹を見たんです。
あの時感じた忘れられない想いを書いた曲」だと話す。
さらに「故郷の復興を祈り震災を風化させたくないという想いを込めて今回アルバムへの収録に至った」と、続けてくれた。
・松本哲也 - ユキヤナギ
鈴木砂羽主演映画『しあわせカモン』の主題歌『ユキヤナギ』。
優しく語り掛けるように、そして確かに想いを伝えるように、言葉を届けていく歌声。
そんな歌声で届けられる≪もう戻らない日に笑顔で手を振って僕はゆくよ≫
≪ずっとこの花は枯れることはない いつまでも≫という言葉たち。
その歌と言葉に、心が震えない人がいるのだろうか。いや、いないだろう。
思わず自身の家族のことを思い浮かべ、涙が溢れてくるという人も少なくないはずだ。
その涙は、悲しくて溢れてくるものとはまた違うはず。
それもまたこの楽曲の魅力であり、多くの人の心を震わせる一因だろう。
「この20年でお世話になったり応援してくれたみなさんへ感謝を込め、
大きな節目となる2022年はデビュー当時の曲なども含めたセルフカバーアルバムも出したい」と話す彼。
2021年2月26日リリース
「GLASS FANGS」