2015 年結成。"DTM の新時代が到来する !" をテーマに、ローランド SC シリーズやヤマハ MU シリーズなど 80~90 年代の音源モジュールやシンセサイザーを用いた音楽を制作している。


2017 年に配信作品『PARKCITY』を発表。他アーティスト作品への参加やリミックス、演奏会を重ねながら、ラフォーレ原宿グランバザールの TV-CMソング、TVドラマ「電影少女 - VIDEO GIRL AI 2018 -」の劇伴制作、アニメ「ポケットモンスター」の ED テーマ制作など を手がける。


2018年に1stアルバム『DREAM WALK』、2019年に2ndアルバム『Night Flow』、 2020 年にインストミニアルバム『Ambience』をリリース。そして 昨年に 3rd アルバム『See-Voice』をリリースした。




・パソコン音楽クラブ − reiji no machi



2ndアルバム「Night Flow」の収録曲のひとつ「reiji no machi」は、パソコン音楽クラブの代表曲であり、活動の転換点にもなった一曲。アルバム全体を通してのコンセプトやテーマが強い彼らの作品だが、2ndアルバムでは初めてリードナンバーとしてこの曲をピックアップし、MVを制作するという試みを行ったという。


アルバム名にも表れているように、作品が持つテーマは「夜」。世界が静まりかえる特別な時間が持つ、エモーショナルな空気感や情緒を表現したそうだ。「reiji no machi(零時の街)」にもそのテーマが色濃く表れており、どこか静謐な空気と幾何学的な夜の街並みの風景を、サウンドとメロディ、詞世界を通して感じさせてくれる。日常風景としての「町」にスポットを当てたそうで、制作者として楽曲を表現するなら「cityというよりはtown」だという。


一方でMVでは日常の視点からダイナミックな遠景まで様々なかたちで「夜」が映し出されていて、多面的な表現を楽しめる。キャッチーに、かつ奥深く聴かせるナンバーとして、まずはこの曲から彼らの世界に触れてみてほしい。



・【公式】「バツグンタイプ」 アニメ「ポケットモンスター」エンディングテーマ



2021年にはアニメ「ポケットモンスター」のエンディングテーマとして「バツグンタイプ」を制作するという、意外な楽曲提供も行っているパソコン音楽クラブ。


ポケモンのプロデューサーとして知られる増田順一氏がサウンドクリエイターとしても長年活躍しており、テクノやDTMといったジャンルにも造詣が深い彼から、近年のシーンの中で話題を呼んでいるパソコン音楽クラブに声がかかったという。業界のレジェンドからの抜擢に、メンバーたちもテンションが上がったそうだ。


楽曲は広義のテクノからジャングルなど幅広いジャンルの要素を取り入れ、オリジナル作品とはまた違ったアプローチを見せている。あらかじめテーマのある、提供楽曲の制作ならではの楽しみもあったそうだ。


・パソコン音楽クラブ − Panorama



2021年10月にリリースされた3rdアルバム「See-Voice」。その中の一曲である「Panorama」は、浮遊感のあるゆったりとした音の波の中で、多様な情景を見せてくれるミディアムナンバーだ。静かな始まりから加速するサビまで、緩急のついた曲展開も魅力のポイント。繊細に構築された音像の中にエモーショナルな揺らぎも感じさせてくれる。


作り手と受け取り手で感じることやイメージが違うのも音楽の醍醐味であり、「自分たちの作品が、聴いてくれた人たちそれぞれのものになってくれたらいい」と考えているという彼ら。現在は本作のリミックスアルバムも制作中だそうで、作り手による新たな解釈でアルバムの見せる景色がどのように変わるのかにも注目したい。



2022年は積極的にライブも行っていきたいという彼ら。アナログレコードやグッズなど、制作面でも新たな動きを控えているという。今後のシーンの中でどんな音楽世界を築き、どんな空気を作り上げてくれるのか、ますます要注目だ。