今回は、大阪と東京でそれぞれ活動するバンドマン、ひらばやしさんとおおしまさんの各々別の顔である"イラストレーター"と"ライター"にスポットを当て、絵本制作という新たなアウトプットを行うプロジェクト『nemo』についてお二人からお話を伺った。




―――まずはプロジェクト名であるnemoという名前の由来を教えてください。



おおしま:絵本をある程度制作してからnemoという名前を考えたのですが、

その時は「水の惑星」の中に身も心もどっぷり浸かっていたので”海底”というイメージが頭から離れなかったんです。


そこからジュール・ヴェルヌの「海底二万里」が思い浮かんで…そこに登場するネモ船長の名前の響きが昔からずっと好きだったのでそのまま使わせていただこうかなと。

nemoという言葉にはラテン語で”誰でもない”という意味があって、それも歩き始めたばかりの僕らにぴったりで良いなって思っています。




―――今回制作することになった絵本「コーキー・カーキーと水の惑星」とは具体的にどういったものなのでしょうか?



おおしま:具体的にどういったもの…中々難しいですね…。
内容的なことではなく「外側」を答えるなら”サウンドトラック付きの絵本”です。

シーンや絵をイメージした楽曲を聴きながら絵本を読む、という目でも耳でも、そして心でも体感できる絵本になっています。


もちろん僕らでも楽曲を制作しますが、素晴らしいミュージシャンの方たちにも楽曲制作で参加していただけていまして、

これはもう本当に最高の絵本になるんじゃないかなって思っています。



ひらばやし:個人的にはイラスト・デザイン・音楽制作・仲間との活動と、これまでの活動の総括とか総集編みたいなものです。

この先のことを考えた時に、今まで取り組んだことのなかった、じっくり時間と集中力を注ぎ込んだ1つの作品づくりをやろうと思いました。

できればこの先何年も二次的に展開できるようなもの。


自分にできそうでワクワクすることを考えて、絵本ならおおしまくんと組むことでいいクオリティに到達できそそうなイメージが湧いたので、実際に動いてみました。

今の段階での100%を注ぎ込んだ作品にすることで、もっとやりたいことやできること、伸ばせることや課題なんかも見つかると思っていて、

そういう意味ではひとつの完成形でもあり、通過点だったり、もしかしたら次への布石だったりするかもしれないと思っています。



写真:絵本製作中のひらばやしさん





―――制作のきっかけとして決め手になる出来事は何かあったのですか?



おおしま:ひらぱ先生から話を持ちかけられました。
実は僕はずっと、自分のバンドのグッズで絵本を作りたいなって思ってたんです。

おとぎ話のような歌詞だったり動物が出てきたり、そんな曲が多いので絵本にしたら面白いだろうなーって漠然と思っていたのですが、

絵は描けないし装丁とかも大変そうだしな…ってなんとなく一歩踏み出せなかったんです。


そうしたらある時ひらぱ先生が「絵本作らへん?」って。


その一年前くらいからだったかな。やたらとひらぱが「クークは絵本作ればいいのになー」って言ってきててそのせいで僕の心はだいぶ”絵本作りたいモード”になっていて。
そのタイミングでの”一緒に絵本作らへん?”ですからね。

やられた!うまいなーって思いました笑。そんなん絶対やるじゃないですか笑。


でも本当に楽しくて。

良い機会をもらえて、新しい世界を見ることができて感謝してます。



ひらばやし:ここ数年あんまり考えたことはなかったのですが、漠然と5年とか10年後にどんなことをしていたいのか、自分で考えたときがありました。

自分の今の活動の延長線上で想像するのではなく、すべてとっぱらって考えたときに、

「めっちゃくちゃでかい自分のイラストの立体(パネル)の展示会終わりに、記念撮影している自分」のイメージがでてきました。


自分のイラストの世界観をリアルで表現して、そこにさらに自分の音楽や、仲間との音楽・演奏がある空間っていうのを実現してみたい。

そのためには僕個人発信のイベントというよりは、作品づくりをして、それにまつわるイベントなり展示にした方がより大きい規模でできるのではないか?と考えました。

そこからスタートして、アニメや映画は技術的にも予算的にも厳しいけれど、絵本ならイラストのパワーでなんとか作ることができるかも…と思いました。


彼も言うてますが、おおしまくんに「絵本作ったらいいのに」と言い続けてたのに、まさか自分が「絵本つくってみよ」と思うなんて…と思いました笑。まぁそれなら一緒にやったらお互い高め合えるかも!!と思い、誘ってみました。なのでこれを見越して「絵本作ったら?」とずっと言ってたわけではありません笑





―――今回の絵本はどんな方に読んでいただきたいですか?



おおしま:おとなでも子どもでも読むことができる、を意識して書いているので色んな方たちに読んで欲しいです。

それは物理的に”読むことが出来る”のではなく、どちらの世代も読んで”何かを得ることができる(のではないかな?)”という意味です。


なので、読み終わったら「こんなことを思ったよ、こんなことに気づいたよ」と、この絵本がコミュニケーションのきっかけになったら心から嬉しいです。



ひらばやし:物語を考えるときに絵本をあれこれ読んだのですが、子どものときに好きだった「100万回生きねこ」を思い出して、

実家にあるか母に聞いたところ、新品を送ってくれました笑。


読んで思ったのは子どものときに感じたことと、大人になって読んだ感覚が違うということ。大人になったからこそ動く感情がありました。

それがなんだかすごくいいなぁと思い、子どもが読んでまずシンプルに楽しい、その上で潜在的にこういう風に感じてくれたらいいなと思うことと、

読む大人から子どもへのメッセージの代弁、みたいなこともすごく意識してテーマを考えました。

そういう意味で、大人にも子どもにも読んでもらいたいです。




―――現在制作に合わせてクラウドファンディングを実施されていますが、こちらはどういった目的で行われているのでしょうか?



ひらばやし:端的に「絵本の制作費を集めること」と「予約販売」なんですが、それと同時に大ごとにして知ってもらったり盛り上げたりしたいなという意図があります。

ぼくもおおしまくんも過去にそれぞれのバンドでクラウドファンディングに挑戦した経緯もあり、その過程での一体感であったり達成の喜びやリターンの楽しさの共有であったり、

スタートから長い時間を一緒に楽しみながら進んでいけることに非常に魅力と可能性を感じていました。


「バンドマンが絵本づくり」という一見ストーリーが見えないワードですが、僕らの中にはそこに到達するのは必然だったかもしれないというストーリーがあります。

そこを見せつつ伝えていくのにもクラウドファンディングは最適だと考えました。



写真:「コーキー・カーキーと水の惑星」完成イメージ。




―――最後にこの記事をご覧の皆さまに一言お願いします。



ひらばやし、おおしま

まだ生まれたての僕らnemoというチーム。

そしてnemoが産み出そうとしている「コーキー・カーキーと水の惑星」。

新しいこと、始めたいと思ったその時がいつだってスタートです。


コーキーとカーキーの冒険はもちろん、僕らnemoの冒険も楽しみにしてもらえたら嬉しいです。

よろしくお願いします!





プロジェクト立ち上げの経緯から、現在取り組んでいるクラウドファンディングに至るまで思いの丈を話してくれた2人。
現在実施中のクラウドファンディングは3月31日まで行われているのでぜひチェックしていただきたい。
これからのnemoが作っていく新しいアートの形にこれからも注目して行きたい。



▼クラウドファンディング詳細

「【コーキー・カーキーと水の惑星】 バンドマン2人が作る「人類が滅びた後の世界」を描いた、サウンドトラック付き絵本制作プロジェクト!」

https://www.muevo.jp/campaigns/3112


目標金額:100万円(現在46%達成)

実施期間:3月31日(土)いっぱいまで