研ぎ澄まされた音楽世界で魅せる音楽クリエイター、gaburyu。


1998年生まれ、主にインターネット上で活動するgaburyuは、SoundCloudへ音源を投稿し始めたことでクリエイターとして始動。YouTubeへも作品投稿を行い、主にボーカロイド楽曲を中心に楽曲を発表してきた。


それと並行してsomunia、yosumi、カシ・オトハ等バーチャルシンガーへの楽曲提供も行っており、インターネット音楽シーンでの存在感を高め続けている。


2020年8月にはEP「条理加速の片隅、彼女と想像の中身に関する行方」発表し、翌2021年2月にはHATSUNE MIKU Digital Starsのテーマソング「Sweety Glitch w/nyankobrq」を発表。同年3月にはKONAMIここなつ2.0「マーメイドペレパスィ」を発表するなど、多くの実績を重ねてきたgaburyu。


2022年に入ってからもコンスタントに楽曲を公開しており、その世界観をさらに進化させ続けている。




・higma&gaburyu - ホロウ feat.初音ミク



2022年2月に公開された「ホロウ feat.初音ミク」は、音楽クリエイターのhigmaとの共作による楽曲。疾走感のあるビートとどこか無機質で幾何学的なサウンド、日常風景の中に非日常を描き出す淡々としたリリックが一体になって、不可思議な世界を見せてくれる。


音楽活動の中では、他のクリエイターと共作をする機会も多いというgaburyu。実は世に公開されていない共作楽曲などもあり、そうした制作が、ある種の遊びとして作品の中に取り込まれることも多いという。


この曲もそんな共作をきっかけに誕生した作品で、ひょんなことから映像クリエイターの深山詠美氏に映像を制作してもらえることになり、MVの公開に至ったそうだ。


楽曲はもちろん、奥深さのある映像世界も大きな注目ポイント。特にお気に入りの箇所は1:30頃からの木のシーンだそうで、実は本物の木ではなくミニチュアの木をベースに撮影されているという。


インパクトを見せる音像と、巧みな映像表現の融合に注目して観てほしい。



・swim / 初音ミク



自身にとってターニングポイントになった楽曲だという「swim」。どこか浮遊感のある柔らかなサウンドと初音ミクの繊細なウィスパーボイスが印象的なナンバーに仕上がっている。


それまでは作品が「kawaii future bass」とカテゴライズされることが多く、そのことにしっくりこない部分もあったというgaburyu。そんな中で、自分の中から自然に出てきたようなイメージでわずか一晩で完成したのがこの曲だったそうだ。


電子音による音楽ながら、柔らかな自然を感じられるオーガニックな楽曲に仕上がっている本作。このニュアンスをgaburyu自身も気に入ったそうで、以降の制作の道標になっているという。


現在まで繋がるgaburyuの表現スタイルを決定づけた、重要な一曲として必聴だ。


・syzygy / 初音ミク



もともとシンガーのyosumiへの提供曲として制作され、初音ミクver.も公開された楽曲「syzygy」。「シジジー」と読むこの曲は、gaburyuの持ち味である柔らかな浮遊感を保ちつつも、よりポップに仕上げられている。


普段の作風としては、宇宙などの大きなテーマを決め、その一部を切り抜くような形で制作をしているというgaburyu。しかし、この曲では「kawaii」をテーマに据えて、そのテーマをともすれば過剰なほどに研ぎ澄ませて表現したそうだ。


自身ではこの楽曲を「ハイパーポップ」なジャンルとして認識しているそうで、サビの部分にはわざと音割れした音声を挟むなど、いい意味で誇張された「kawaii」が多彩なかたちで表されている。


また、映像は「swim」以降は自身で手がけているというgaburyu。曲を作った後にMV用にキャラクターを考え、その3Dモデルを制作し、そしてそれをモーションキャプチャで動かす……というかたちで作り進めているとのことだ。




独創的な楽曲を次々に発表し、自身の音楽世界を構築しているgaburyu。現在はソノシートでEPを制作しており、秋のM3での作品発表を目指しているそうだ。

インターネット音楽シーンでますます存在感を増していくgaburyuから、今後も目が離せない。その最新の活動はSNSなどから要チェックだ。