
T.O.C.A(トカ)は、秋田県を拠点に活動する3人組J-POPバンドである。
メンバーは(写真左から)鈴木翔大(スズキ ショウダイ)/Ba.Cho、進藤瑞紀(シンドウ ミズキ)/Dr.Cho 船木航(フナキ コウ)/Vo.Gt。
2014年に進藤瑞紀、船木航を中心に4人組ツインヴォーカルの形態で活動スタートする。 2016年、ベースが脱退し同年に鈴木翔大加入と1st Single「3838」をリリース。
2017年、1st Album「肌色へ」、2018年、1st e.p.「言の葉っぱ」を全国リリース。 2019年、ヴォーカルギターの1人が脱退し現体制となる。同年男鹿ナマハゲロックフェスティバル VOL.10オープニングアクトとして出演後、楽曲制作期間のためライブ活動休止する。 2021年、「人生はスキャット」をデジタルリリース、同時にMVも公開しライブ活動再開する。 2022年、男鹿ナマハゲロックフェスティバルVOL.11オープニングアクトとして出演、同日に2nd e.p.「あとかた」をリリースし全国ツアー開催。
2023年、男鹿ナマハゲロックフェスティバルVOL.12オープニングアクトとして出演。 同年、いしがきMUSIC FESUTIVAL2023出演。
2023年ツアーファイナルワンマンライブをソールドアウトさせる。
2024年、秋田ダイハツ株式会社の企業CMに「つきのよ」が起用される。
2024年、3rd e.p.「てんとてん」リリースし全国ツアー開催。レコ発とツアーファイナルワンマン ライブをソールドアウトさせる。
2025年、神室音楽祭、RINGO MUSIC FES.2025、MEGA★ROCKS等東北のフェス、サーキットや 下北沢にて出演、打ち首獄門同好会との2マンライブ抜擢等勢いを加速する。
2022年~2025年、NHK秋田「ニュースこまちサンデー・サタデー」で「枯れない」がテーマソン グに起用されるなど、秋田を拠点にライブやフェス、メディア等幅広く活動している。
“歌モノ”であることを大事にしており、耳に残るキャッチーなメロディと歌声とボーカル船木の人の心をつかむ情緒溢れる歌声が大きな武器。
メロディと歌を決して邪魔せず、それでいて余すこと無く楽曲世界を表現しているアレンジと楽器隊の演奏能力にも定評がある。
殆どの作品において船木が原案を担当し、メンバー全員で膨らませ削り練り上げていくスタイルで制作しており、この過程で緻密なアレンジが構築されている。
また、メンバーそれぞれの音楽ルーツが異なることが影響してか、彼らの楽曲には非常に幅広いジャンルの要素が取り入れられている。
”J-POP”という看板のもと、実質ノンジャンルに近い形で作品を生み出していると言えるかもしれない。
また、メンバーの関係性がとても心地よく、打ち込みでは再現できない絶妙で独特なグルーヴを持っていることも大きな特徴。
個々のプレイングにおいても、楽曲世界を彩る遊びがそこかしこに散りばめられており、各々の遊びが相乗効果を起こし作品をより特有の色味へと導いている。
クオリティの高さに担保された安心感を持ちながらも、この何が飛び出してくるかわからない”おもちゃ箱のような感じ”を同時に見せてくれるスタイル。
これこそがT.O.C.Aの真髄であり真骨頂である。
① 人生はスキャット
2021年にリリースされた、ファンキーグルーヴが印象的なポップナンバー。
新型コロナウィルスの流行などによりライブ活動が行えなかった休止期間を経て、本作を引っ提げて活動再開しており復活第一弾の新曲となった。
イントロからワクワクさせてくれる曲で、冒頭4小節の静かなギターリフ&ハイハットシンバルのフレーズから爆発的に広がるバンドサウンドの爽快感が素晴らしい。
全体的に奥行きや広がりを感じるサウンドメイクで、空間使いの上手さが出色。
これにより、各楽器の個性を潰さず自由さを持ちながらも決して歌の邪魔はせず、互いを活かし高め合うセッションのようなステージが構築されている。
空間、リズム、アレンジ、展開、歌……全てにおいて緩急の付け方が巧みで、Bメロを経てサビパートが始まる部分での盛り上がりも特に大きなものとなっている。
全編を通して「次は何が飛び出してくるんだろう?」というワクワク感が持続されている作品だ。
歌詞のワードチョイス、テンポ感、韻踏みのセンスも逸品で、船木の天才性の片鱗を垣間見ることができる。
反骨精神を感じさせながらも、暗さやネガティブな雰囲気は無く前向きな勢いを与えてくれる内容である点が彼ならでは。
人によって様々な解釈を持てる自由さがある点も非常に船木らしい。
ワクワクが次々と飛び出してくる本作は、“おもちゃ箱をひっくり返し続けるバンド”であるT.O.C.Aの名刺代わりとなる代表作と言えるだろう。
MV撮影は秋田県大館市の映画館である「御成座」と、同市にあるロック酒場「ROCK INN LINDA LINDA」。
「地元秋田を愛してやまない」という3人の秋田愛を強く感じるチョイスとなっている。
② どうぶつのバラード
2023年にリリースされた楽曲で、それまでのT.O.C.Aに無かった新境地を開拓した作品。
“人間としての理性”と”動物としての本能”がテーマとなっており、秋田県由利本荘市のライブハウスレストラン「RIVER ROAD」にて撮影されたMVでは青と赤二色のライトを用いて人が持つその二面性を表現している。
ミディアムテンポのヘヴィなサウンドにはブルースやジャズのエッセンスが含まれており、ダークでアダルトで深みのあるサウンドが鮮烈。
有機的に移り変わる展開やビートパターン、同じ”Aメロ”であっても全く違った表情を見せるアレンジワークなど、終始見どころ聴きどころが続く。
特に2番のAメロのベースラインは名演で、それに絡みついて遊ぶかのようなドラムとギターと、その上を自由に泳ぐボーカルが生み出すハーモニーは至極。
各楽器の強烈なソロパートやアウトロのインプロセッションのような熱い絡みなど、T.O.C.Aの中でも随一の”バンドっぽさ”を持った作品だ。
自然と体が動き出す横乗りグルーヴの心地よさは筆舌に尽くしがたく、ぜひライブで体感して欲しい。
③ ポップどうぞ
2025年1月のリリースされた作品で、本稿掲載作品の中では最新作。
イントロでレトロなブラウン管TVの映像と共に流れるチップチューンサウンドや、名機KORG M1のエレピサウンドを彷彿とさせるようなバッキングなど、電子音楽のフレーバーが全面的にフィーチャーされており、T.O.C.Aが元来持っているポップセンスに現代のダンスミュージック要素が融合された怪作にして快作となっている。
現代風サウンドと言うとクリアで雑味の無いハイレゾサウンドを想起されることが多いが、本作は最新サウンドとしてブラッシュアップされながらも、空気感や温かみのあるアナログっぽさを随所から感じさせてくれる。
Ba.の鈴木によると「生の感じをしっかり出すためにギター・ベースはキャビにもマイクを立てて収録している」とのことで、ライン録りだけでは表現するのが難しいリアリティを出すことに成功している。
現代的なサウンドでありながら、眼の前でライブを見ているかのような感覚を与えてくれるのは実にT.O.C.Aらしい。
16フィールの裏ノリでダンサブルな曲でありながら、ハーフテンポになるパートや2ビートになるパート、2拍3連のキメなど一筋縄では行かない展開とビートパターンを用いていることも特筆すべき点だ。
過去作以上に強力な高域成分を放ち、キレが溢れ出る仕上がりとなっている船木の歌声も見逃せない。
”T.O.C.A ver.2025”とも言うべき、最新アップデートが適用された”最新版T.O.C.A”を堪能できる名作となっている。
パントマイムを踊るピエロが印象深いMVでは各メンバーの貴重な和服姿を拝むことができ、ファンにも大好評。
TikTokでは振り付け動画も公開されているので、ぜひチェックして彼らと一緒に踊ってみてほしい。
なおMV撮影は秋田市のライブハウスCAT WALKと仙北市武家屋敷カフェねずねこで行われたそうだ。
最後に、今後の活動についてBa.の鈴木翔大に語ってもらった。
「今冬から来年半ばくらいまでツアーで全国を回る予定です。最初は秋田でワンマン、その後は各地でツーマン。T.O.C.Aらしさが前面出たパンチのあるライブを演って、一人でも多くの方の心に残るツアーにできるよう精進します。ぜひお近くのライブがあれば遊びにいらしてください。一緒に楽しい時間を過ごしましょう!」
「もっともっとバンドの知名度を上げて、全国各地のあらゆるフェスやサーキットに呼ばれるようになりたい。そして”フェス荒らし”と呼ばれたいです!『どこのフェス見に行ってもいっつもT.O.C.Aがいるんだけど!』って(笑)
それ以外にも、東北フェスを主催したい!現時点では東北でバンド主催のフェスってなかなか無いので。」
「地元秋田が大好きなので、秋田が活動拠点のまま秋田のバンドとしていつかZEPPや武道館の舞台に立ちたいです。幸い現代では地方にいてもネットを通して日本中、世界中の人々に作品を届けられるので。地方バンドに昔ほどのハンデはないので、やってやれないことは無いと思うんです。
“秋田バンド”として活動することで秋田の良さを広めていきつつ、秋田県内にもっと気軽にライブハウスに遊びに行く文化が浸透させたいなと思ってます。秋田のライブ会場はホールか小箱かって感じになっていて、中規模のライブハウスが少ないんです。秋田のライブシーンが盛り上がれば様々な規模の箱が増えるかもしれないし、大きめの入りやすい箱ができればライブハウス未経験な方でも気軽に遊びに行きやすくなって更にシーンも盛り上がる。シーンが盛り上がれば更に環境が良くなる。そういった相乗効果を生み出すキッカケに僕らがなれるよう頑張っていきます!」
「ありがたいことに今までNHK秋田さんや秋田ダイハツさんからタイアップのお話を頂いたり、ブラウブリッツ秋田さんのフェスにお呼びいただいたり、なかなか出会う機会のない層の沢山の方々にT.O.C.Aを知っていただくことができました。今後もそういった機会を頂けるよう成長していきたいです。個人的にアニメが大好きでカバー動画をあげたりもしているので、いつかアニメのテーマソングに僕達の作品が採用されたら感無量です!」
秋田への愛情を一杯に今後について語ってくれたT.O.C.A。
彼らが国民的バンドとしてその名を知らしめることで秋田のライブシーンが盛り上がれば、いつの日かZEPP AKITAが誕生するかもしれない。
人気アニメのテーマソングを引っ提げて武道館ライブを行い、凱旋ライブとしてZEPP AKITAで東北フェスを主催する彼らの姿が目の裏に浮かぶ。
T.O.C.Aの持つ情熱とセンス、クォリティが更に磨かれていけば、それは夢では終わらないだろう。
今後のT.O.C.Aに、そして秋田のライブシーンに大注目だ。
【告知情報】
▼4th EP『TOY』リリース決定
12月公開予定 詳細はSNSやHPをチェック!
▼リリース&2マンツアー 『非っ繰り返しツアー』開催決定!
詳細、追加情報はSNS、HPをチェック!