シンガーソングライター・ヤマモトガク。


2018年よりボカロP「Peg」として「夜になったら耿十八は feat.初音ミク」や「あとのまつり feat.鏡音リン」などを発表していた彼は、2021年にシンガーソングライターへ転身。さまざまな想いを声に乗せ、リスナーへ作品を届けている。


彼の魅力は、ロック、エレクトロ、ヒップホップ、ワールドミュージックまでを消化し、独自に昇華させたサウンド。一度聴くと忘れられない音と、心の闇を抉るような歌詞で聴くものを惹きつけている。人間臭さがありつつも、どこか浮世離れしている楽曲は、心を掴んで離さない。

シンガーソングライター名義としての初の楽曲 「極夜」を発表した際には、多くのファンが歓喜。ボカロPとしての活動に区切りをつけ、新たな一歩を踏み出した彼に注目したい。

 


・ヤマモトガク「再見」 MV /Gaku Yamamoto-See You Again


 
ヤマモトガクが2022年10月27日に公開した楽曲「再見」。物静かな雰囲気の中に切なさや愛、背筋がゾクッとするような怖さが含まれた楽曲だ。

本楽曲は、ローファイヒップホップと日本の盆を混ぜたくて作った曲なのだそう。

日本の和を感じさせる音階と、ジャズのようなコード感が融合した「再見」。「もしかしたら合うのでは?」と閃き、楽曲に落とし込んだのだという彼のテクニックも光る1曲である。

・夜になったら耿十八は/Peg(selfcover) MV



自身制作のボカロ曲をセルフカバーした本動画。いい意味での脱力感を纏ったヤマモトガクの歌声が堪能できる1本になっている。

初音ミク歌唱の原曲よりもキーが上がっており、彼の優しい声が耳にスッと入ってくる。消え入りそうな声に潜むのは愛や失望。心をギュッと掴んで離さないような音楽に、思わず息を呑むだろう。

本楽曲は、蒲松齢の怪異小説集「聊斎志異」の一編である「耿十八」がモチーフになっている。物語を読んだ後に聴くと、また違った魅力に触れられるはずだ。



ヤマモトガクにとっての一番強い原動力は「みんながまだ知らないものを世に出したい」「それで聞き手が盛り上がってくれるか」なのだという。受け入れられるための試行錯誤を繰り返しながら、この先はどうやったら受け入れられるかの方向に力を入れたいと考えているそう。

彼の2023年の目標は、「積極的にリスナーと関わる」。最終的にはポップスターになれるように活動をしていきたいと語ってくれた。自身の声で魅力的な楽曲を歌う彼には、ますますの期待の声が上がっている。