北海道出身のシンガーソングライター。2011年に活動を始め、以降全ての活動をセルフプロデュースで行っている。

物語と現実が入り混じったような人間の弱さや痛みを感じる世界観の歌詞と、高音と低音が同時に聴こえてくるような唯一無二の歌声が魅力。

彼女が紡ぐ作品はまるで、暗い闇の底でひっそりと優しく輝く光のよう。
絶望の中に一欠片の希望があったり、無情な世界の中に優しさを見いだせたり。
煌めきを感じる美しい声でリアルなドロドロとした感情を歌い上げたり。
誰しもが抱える相反した要素を絶妙なバランスで、リアリティがあり心にスッと入り揺さぶる形で届けてくれる。
それは唯一無二、日向文だけのハーモニー。

自らの考えをしっかりと伝えるその姿勢から、同性にも多く支持されている。

日向 文ではない、日向文だ。

□好きなもの□
シルバニアファミリー、野球(日ハム)

□嫌いなもの□
飛ぶ虫、水なす、話の通じない人



1. Emoji / SUDI feat.日向文



韓国出身のプロデューサーであるSUDIとのコラボ作品。


全く面識がなかったという両者だが、たまたまSpotifyで日向文の楽曲を耳にしたSUDIが一耳惚れし、InstagramのDMにてラブコールを送ったことがキッカケで実現したコラボであるという。


日向文といえばしっとりとしたアコースティックサウンドの印象が強いが、本作ではSUDIカラーが前面に出ておりハイテンポでインパクト抜群なエレクトリカルサウンドとなっている。耳に残るメロディとキャッチーなフレーズはついつい口ずさんでしまうこと請け合いだ。


歌詞の面でも日向文自身「今まで全く書いたことも思い浮かんだことも無かったような世界観」と語る極めて新鮮な内容に仕上がっている。


「タイトルとオケ、テーマは出来上がっていてそこに歌詞を乗せて欲しいとお願いされた」という本作の日向文。


「元々は"好きな人に直接好きとは伝えられないけどハートの絵文字なら送ることができる”というテーマの曲だったのですが、私自身に置き換えてみた時むしろ”ハートの絵文字送れないぞ!?”ってなっちゃって(笑) 私自身思ってないことは書けないタイプなので、”ハートが送りたいけど送れない!もどかしい!”って解釈を変えて書かせていただいたり、普段読まないような少女漫画を読んで勉強したり、一から人物像を作り上げて表現していったり、かなり試行錯誤しながら書き上げました」と、本作の誕生秘話を語ってくれた。


「歌い方も今までとはかなり違う感じで。かわいこぶってます(笑) 今歌録りは全部宅録なので、だからこそワンフレーズワンフレーズ時間をかけてこだわって収録することができました」という、シンガーとしての新たな引き出しを得て更に多彩になった彼女の歌声にも注目して欲しい。


場面に応じて違った色の”切なさ”を歌い分けるその表現力は圧巻の一言。


日向文とSUDI、二人の世界が混じり合って初めて生まれた新たな世界であると言えるだろう。


2. 「誰も知らない」MUSIC VIDEO / 日向文



前述のEmojiが「我々の知らない新しい日向文」であるとすれば、本作は「我々のよく知る王道な日向文」である。


“自分から孤独の沼に浸かるのと突き落とされるのでは死因が違う”という衝撃的なフレーズから始まる本作の世界。


これまで様々な”孤独”を描いてきた彼女だが、本作では「誰にも分かってもらえない」という主人公の嘆きと、「誰も知らない私を見て、抱きしめて」という願いを描き歌い上げた曲となっている。


陰鬱で絶望的、ダウナーな要素を含む本作だが「同じ様な気持ちを抱いてる方に『あなたのこと見てるよ』『その想い分かるよ』ってこの曲を通して伝えて抱きしめてあげたい」という日向文の想いにとって生まれた優しい楽曲でもある。


辛いときや悲し時はぜひこの曲を通して、優しく包み込むように抱きしめられる感覚を体験して欲しい。


音の面では、ギターアルペジオが印象的なしっとり落ち着いた広がりと空間を感じるサウンドとなっており、聴いているだけで様々な風景か見えてくる。同じメロディでもフレーズによって違った表情を見せてくれる起伏に富んだ彼女の歌声と、展開に厚みを加える美しいコーラスワークも極めて印象的。


ライブでの弾き語りスタイルもファンの間で非常に好評で、ぜひ生でも体感して欲しいエモーショナルな名曲だ。


「北海道の海で朝4時から収録した」という美しいMVも必見。


“眠りかけの月が座る空に昇りゆく朝日”という幻想的な光景は、楽曲の世界を見事に写し題していると同時に、映像作品として見ても十二分に楽しめる内容となっている。


なお余談ではあるが、神秘的な本MV撮影の裏側には「暗い海が怖すぎてあまり深くまで入れなかった」「森を歩く時虫と熊がこわすぎた」「熊が寄ってこないよう定期的に大声を出して”ここにいるよ!”とアピールしていた」などなど、リアルな苦労体験が山盛りだったそうだ。


熊や船幽霊にに抱きしめられることにならず何よりである。




最後に、今後の活動や目標について日向文本人に語ってもらった。

「7月に東京の世田谷にてワンマンライブが決まっているのでそこに向けて頑張ります。ぜひみなさん遊びに来てくださいね。今後もちょこちょこライブをやりながら、新曲を沢山お届けしたいなと思っています。ハイスピードで曲を量産していくタイプではないのですが、できる限り色んな作品に挑戦していきたいです」


「夢や目標とは少し違うかも知れないですが、これからもずっとファン/リスナーのみんなと一緒に歳を重ねていきたいと思っています。忙しくなったり環境が変わったりで今までずっとライブに来てくださってた方が来られなくなることもあると思うんです。でもどこかこのタイミングでまた日向文の音楽が聴きたいなって思ってくださることがあったら、その時にも変わらず歌っていたい。ライブをやっていたい。音楽を作っていたい。例えば、以前ずっと一人で来てくださっていた方が何年も経ってパートナーやお子さんを連れて来てくださったり。そんな風に環境が変わっても変わらずに残っている、いつでも気軽に帰って来られる場所になりたいです」


ますます広がりと奥行きを増していく日向文の音楽が明日どうなっているのか。5年後や10年後にはどう変わっているのか。そしてどう変わっていないのか。これからも彼女の活動から目が離せそうにない。


【ライブ情報】

 


日付|2025年7月26日(土) 
場所|東京都民教会
住所|東京都世田谷区代田5丁目35-2
開場/開演| 14:30 / 15:00 
前売券|¥ 4,000 (当日¥500 up)

<チケット>
e+(自由席 or 立見 )各1人1回4枚まで
入場:整理番号順、自由席 A No.1〜→立見B No.101〜

<販売期間>先行(抽選):6/6 12:00〜6/15 23:59 
(*入金期間:6/17 13:00〜 6/19 21:00 )

一般(先着):6/21 12:00 ~7/25 18:00

 URL※先行・一般共通:( https://eplus.jp/sf/detail/4338650001-P0030001 )