2015年、ボカロPの鬱Pを中心に東京にて結成した4人組バンド、おはようございます。


鬱Pが抱いた、「ボカロとは別に自分自身がフロントマンとして活動できるバンドをやりたい」という想いから結成。

日本語詞と“すごい音”が特徴。


暴力的なほどに攻撃力の高いラウドロックサウンドに、J-POPのような歌謡曲ベースのメロディーが乗る。

キャッチーでありながら本格ヘビーサウンドを鳴らす、オリジナリティの強いバンドだ。




・おはようございます - 極普通 [MUSIC VIDEO]



「楽曲を発表したのが2020年5月頃で、完全フルリモートで作った」という楽曲『極普通』。


「2018年にリリースした『真面目にやる』ができた後、次に作りたい曲として『極普通』というタイトル案があった。そんなタイトルに合わせて、“極普通”じゃない曲ができたらリリースをしよう!という話に。それから曲を作り続ける中で、一番“極普通”のハードルを超えたと感じた曲が出来たので、『極普通』のタイトルをつけリリースした」。そんな裏話も明かしてくれた1曲だ。


ヘビーに暴れまわるバンドサウンドからの、メロディーラインとリンクしたリフ。先の読めない楽曲展開。キャッチーさが極まるサビ。さらには冒頭のVo.鯖の巻舌のままシャウトなど、やはり面白いと思える部分が多い。何度聴いても楽しめるはずだ。

「『極普通』だけにかかわらず、曲を作っている鬱Pのビジョンを壊さないように自分のパーソナルな部分を織り込んでいく」というのはVo.鯖。「自分からのアイデアだけでなく、他のメンバーから提案してもらったことや、バンドでその場で思いついたことを切り捨てずに大事にしている」とも話す。


さらに合わせて、その個性あるスタイルについても「ボーカルって誰かの曲を聴いて、こういう声を出したいな~という憧れから始めることが多いと思う。勿論憧れは大切だけれど、そのままだと憧れのボーカリストのものまねになる人が多いのではないか、と。すごいパフォーマンスじゃなくてもいいから、自分で考えたもの、オリジナリティを必ず1つ持っておきたい、という自分のこだわりがある」と言葉をくれた。



・おはようございます - 人生をやりすごす [MUSIC VIDEO]



「スライドを多用するリフから曲が生まれた」と話す楽曲『人生をやりすごす』。


そんな同曲の印象的なエピソードとして「曲がほぼ出来上がった時点で、1サビにいく直前(0:48あたり)の歌詞だけ全く思いついていなかった。オケはほぼ完成状態で、キメの部分に合わせた歌詞を考えていた。そんな時にたまたま見ていた昔のTV番組『空耳アワー』の中で、メタリカの楽曲で『寿司 風呂 寝ろ』と聞こえる、という空耳があった。これを見て急にひらめき、まんまパロディとして取り入れた。ただの空耳だった歌詞が、歌詞の流れにも合い、たまたま歌詞全体の意味が繋がった!パズルのピースがハマった感覚」ということがあったと教えてくれた。


「おはようございますは、『真面目』とか『普通』とか単語から曲を作ることが多い。今回は『人生』を入れてみようと思った。でも『人生から逃げ切る』だと意志が強すぎる。もっと意志の弱さを出したい。本当のダメ人間は嫌な事は見てみぬふりして通り過ぎている。その感覚をタイトルで伝えたかった」という通り、『人生をやりすごす』というインパクトのあるタイトルがつけられた同曲は、すごく等身大に感じられる。


≪やりすごす やりすごす やりすごす 全部 ギリ叱られない塩梅に仕事こなして≫と歌うその言葉が、弱い自分も、無気力な自分も肯定してくれるよう。ダメ人間かもしれないけど、生きていけそうな気がしてくる。

「MVはどんどん派手にしていって欲しい!とバンドから要望を出し続けた結果、カオスな世界観になった」という。まさにその言葉通りのカオスなMVも必見。


・おはようございます feat. ゆよゆっぺ (N.I.C.K) / 骸Attack!! [LIVE at 2019.09.23]



鬱PがボカロPとして作った曲をバンドで演奏したライブ映像。

2019年9月23日に高円寺で行われたクラウドファンディング公演『基本プレイ無料』からの1本だ。


「ちょうどこの日にゆよゆっぺさんのバンドが活休をあけてまた再始動する!という発表があった。始動のお知らせも兼ねてライブに出演して欲しい!と声をかけライブに出てもらった」。そんな経緯で、元々親交がかなり深く、お互いのバンドでの対バンも行ったりするなどの交流があったというボカロP・ゆよゆっぺとのコラボとなっている。

奏でられる迫力溢れるバンドサウンドと伸びやかな歌声は、会場を熱狂に飲み込む。まず間違いなく、非日常へとトリップさせてくれるパフォーマンスが、ここにある。

ちなみにこの時に行ったクラウドファンディングは、集まった支援額に合わせて演出が派手になっていくというものだった。それは「バンドとして自分たちが面白いと思うものをファンの皆さんと一緒に楽しみたい!」という想いから。


そんなクラウドファンディングを経たこのライブでは「レーザーを入れ、ダンサーも呼び、特効も使った。ライブハウスの中で叶えられることは何でもやってみた」とのこと。結果、「このクラウドファンディングはやりたいことを皆さんに提示できた、良い企画になった」と自分たちでも満足いくものとなった。


実際にこのときのライブ映像を使ったMVもあるので、是非そちらも見てみてもらいたい。

・無いと見せかけて無い [MUSIC VIDEO]

https://www.youtube.com/watch?v=G0UdVhRaxCw




コロナ禍でライブに行くという習慣がなくなってしまった方もいる。徐々にコロナとの共生が見えつつある今、「皆さんのライブハウスへの習慣を取り戻したい!新たに今のバンドとの交流を増やしていきたい!」という想いから、年明けから2ヶ月おきの定期公演の開催を決定した彼ら。まずは1月に最初の定期公演が行われる予定だ。

そんな彼らにこの先の展望を尋ねてみると「以前、仲のいいボカロP3バンドで、『旅行』というライブタイトルで沖縄ライブを行った。本当にライブはおまけで、みんなで旅行を楽しんだ。これがすごく楽しかったから、今度は北海道とか旅行先を増やしていきたい!」と話してくれた。


また、鬱Pは「自身の人生目標にも近いけど、“思いついたことをすぐやれる環境でありたい”という目標がある。そのためにはやっぱりお金は必要。やりたいことをやるために、お客さんがいっぱいいる環境を作る努力をする」と話してくれた。


バンド内でも“なんでもやりたいことが自由にできる環境”は出来上がっているという。


「このバンドはとんでもなく仲がいい。遠征とかでも集合から到着するまで全員喋り続けている。なんでも言い合える仲。粗品タオルをグッズとして出すなど、メンバーが突拍子のないアイデアをもってくることも多い。そんな風にとにかく面白いことを自由にやるバンド」と語る彼らの音楽に“たのしさ”を感じるのは、そんなスタンス・関係性によるところもあるだろう。




【リリース情報】



4th Mini Album 「生死」
2022.05.03 / MSIS-021 / 会場価格 1,000 円

Booth:https://utsu-p.booth.pm/items/3821276


01. 人生をやりすごす
02. あいうえお
03. ゲテモノ - おはようございますver.
04. 需要
05. 大きな音



【ライブ情報】



定期公演「奇奇奇」第一回

2022年1月28日(土) @渋谷サイクロン
w) ヒステリックパニック / PROMPTS
前売2,800円 / 当日3,000円

チケット予約:https://t.co/E4O7aJ9Tdy