2003年に結成されたユニット・LAWBLOW。2010年に初となる音源をリリースし、東北をベースにしながら全国区で活動。現在は生まれ育った岩手県大船渡市に在住し、全国各地でライブを行っている。


東日本大震災直後は、支援活動をする傍ら、全国の復興イベントにゲストとして出演。2011年7月27日に発売された1st.アルバム『復興者』から「家に帰ろう」がNHKいわてみんなのうたに選出され、被災地のみならず全国各地からの共感を集めた。


2013年には長崎の稲佐山公園野外ステージにて行われた、さだまさし主催の「長崎から東北へ」と題した東日本大震災復興支援チャリティーコンサートに参加。加山雄三、アンジェラ・アキ、ゴスペラーズ、ひめ風(南こうせつ、伊勢正三)、スターダストレビュー、秦基博らと共に、東北に向けて歌のメッセージを届けた。2016年には初となるベストアルバム『まとめ』をリリースし、初回プレスはわずか三ヶ月で完売。また2017年7月に地元である岩手県大船渡にて開催されたワンマンライブはソールドアウトの大成功を収めた。

2018年12月のメンバー脱退に伴い、LAWBLOWはリーダーであった菅原盾がソロで継続。その後2019年7月には東京で、11月には大船渡で新体制初のワンマンライブを行い、見事成功を収めた。2020年には待望のソロ初となるCD「恒星」、翌年2021年3月11日には無料配信ワンマンライブと共にCD「10年後の復興者」をリリース。同年7月より主催イベント『音の鳴る街』をスタートさせた。

ライブでは、涙を流す人も多いのだというLAWBLOWの楽曲。数多くの応援歌を歌ってきた彼の音楽は、人の心に寄り添える「寄添歌」として性別を問わず幅広い年齢層から支持を受けている。



・『音のない街』 / LAWBLOW



2021年3月11日にリリースされた「10年後の復興者」の収録曲である「音のない街」。
東日本大震災を経験した菅原盾が自身の経験をもとに生み出した楽曲だ。

被災直後は昼間でもシーンとしており、田舎とはいえ、人が生活している音が聞こえてくるほどだったそう。LAWBLOWは、「それをどう歌詞と映像とで表現するかということを意識して制作した」と教えてくれた。


同時に「MVには、大船渡の“今”の景色が映し出されており、震災当時に報道されたときよりは復興が進んで変わってきたことがわかってもらえると思う」とも語った。注目ポイントは、歌詞と一緒に映像がモノクロからカラーになる箇所とのことだ。


・『父さんへ』 / LAWBLOW



菅原盾が、脳出血で倒れた父へ作った曲である「父さんへ」。幼少期の父との記憶や、今の父に向けてのメッセージが綴られた1曲だ。

菅原盾のソロとしての活動に対する取り組み方や考え方は、父から教わったようなものなのだそう。「ソロになったタイミングで活動をより自分でコントロールできるようになったため、病気の父をサポートしようと考えた。それまでのLAWBLOWとしてのオーソドックス路線ではなく、そのとき、まさに今書きたい曲がこれだった」と話してくれた。


MVでは、左片麻痺のリハビリを終えた菅原の父も出演。親子の絆や愛が詰まった作品に仕上がっている。

・『前向き』【リリックMV】 / LAWBLOW



ラヂオ気仙沼(ぎょっとFM)『直送‼︎朝一便』の5月のエンディングテーマ曲にも起用された「前向き」。いじめ被害に遭いながらも、前向きに生きていた子のために書かれた楽曲である。

LAWBLOWは、この楽曲を通して“伝える”ことの難しさを改めて感じたのだそう。「特定のある人に向けた曲のほうがむしろ多くの人に届くこともある」ということにも気づく1曲にもなったそうだ。

当時、いじめに遭っていた子は、現在高校生となって元気に過ごしているのだという。「キミは間違っていない」と優しく心を包み込んでくれる楽曲だ。



今年、活動開始から20周年のアニバーサリーを迎えるLAWBLOW。何かしらの音源をリリースし、同時にプロデュース業も力を入れていきたいのだそう。

2010年のCDデビュー以降はほぼ震災と共にあったというLAWBLOWの音楽活動。現在は以前所属していた事務所を引き継ぎ、震災の復興支援も行いながら、地元でのアーティスト育成と音楽シーンの活性化を目指している。


「後輩たちには、あの人ができるなら自分だってやれると思ってもらいたい。これからは次の世代のアーティストたちが活動しやすい環境を整えてそのバトンを受け継いでいきたい」とも語ってくれた。



【ライブ情報】



2023.3.11(土)
LAWBLOWワンマンライブ
〜約束の歌〜
@大船渡 KESEN ROCK FREAKS
OPEN18:00 START18:30
前売¥3000(+1D) 当日¥3500(+1D)

e+(イープラス)https://eplus.jp/sf/detail/3772250001-P0030001