等身大の言葉とキャッチーなメロディでメッセージを届けるシンガーソングライター、益子里菜。


大子町出身、在住の彼女は、2018年から「ソロピアノ弾き語ら〜」としてピアノ弾き語りスタイルで活動。

「生きること」をテーマに数多くのオリジナル曲を手がけ、幅広い表現を展開してきた。


ソロでの活動のみならず、音楽バンド「まったりたいむ」のピアノ&ボーカルや、創作ダンスチーム「teamZemHoli(チームゼンホリ)」のメンバーとしても活動。

その他に地元アーティストのサポートも務めたり、イベントやメディアに登場したりと、様々な場で実績を重ねてきた。


着実に知名度を高めながら前進を続ける、要注目アーティストだ。




・てとてとて



オリジナル曲を制作しようと思うきっかけになったという、益子里菜の代表曲「てとてとて」。


台風19号で水戸に住む祖父母の家が水没するなど、大好きなふるさとが一夜にして変わってしまったことから作ったというこの曲。辛くて苦しくてずっと下を向いていた時、ふと見たのが「懸命に泥を掻き分けて片付けをする手」「避難所に避難してきた全身びしょ濡れのおばあちゃんが握ってくれた手」「祖母が泥だらけで私や家族、いとこの幼い写真をひとりで集めていたその手」など様々な「手」だったそうだ。


また、「こんな気持ちじゃ音楽なんてもうできっこない」と活動を辞めようとしていた自分を救ってくれたのも、自分の背中を押してくれた音楽仲間たちの「手」だったという。そうした経験を、言葉に残すべきこと、自分の中でも絶対に忘れてはいけないこととして、ずっとずっと先の未来に伝えていきたいと考えた結果、この曲が誕生したそうだ。


制作の背景にはこうしたエピソードがあるものの、曲中には具体的な描写はあえて入れず、「手と手を取り合うこと」が普遍的に歌われている。だからこそ聴き手がそれぞれのかたちで感情移入できる曲として聴いてみてほしい。



・偽りなしは



自身にとって初めてのラブソングだという「偽りなしは」。テーマは「片思い」で、初めての片思いに気づいた男の子をイメージした楽曲となっている。


自分自身が真っ直ぐに気持ちを伝えることが苦手で、どうしても遠回りな愛情表現になってしまったりするという益子里菜。それでもそれが確かに恋なんだと、それが確かに愛なんだと伝わるような恋愛ソングを作ってみたいと考え、この曲を書いたそうだ。


音楽仲間である地元アーティストたちにもカバーしてもらったというこの曲。優しく繊細に恋や愛と伝える詞世界に注目しよう。


・空



大好きな空に込めた思いを描く楽曲、その名も「空」。


空を見上げるのが好きで、ライブ中も何度も空を向く瞬間があるという彼女。あまりにも広い空のどこかには、自分が音楽活動をする上で背中を押してくれた大切な人がいる……という思いがあるのだそうだ。


その人からの「やってみたいと思ったことはどんどん踏み込んでみようよ、自分の好きなこと。それが例えば音楽であっても、好きならばとことん。絶対に続けた方がいいよ!」という言葉に勇気をもらったという。


音楽活動をしていく中での出会いを大切にしているという彼女。歌詞の中に「描く全てが叶いますように」という一節があり、活動の中で様々な人に出会う中で大切な部分だと考えているそうだ。


2022年は活動5年目の節目の年で、これからのことを考えていく中でできたのがこの曲。音楽でもらった恩を音楽で返したいという思い、自分らしく思いきり歌っていきたいという思いが込められた一曲として必聴だ。




「楽しむことを一番に」というモットーを大切にしながら、これからも活動していきたいという益子里菜。今まで苦手だったものを、活動を通して克服していったので、これからもやりたいことや目標にしていることにどんどん挑戦していきたいそうだ。


大きな目標として「ワンマンライブ開催」を掲げている彼女。また、teamZemHoli(チームゼンホリ)など他の活動にも力を入れていきたいという。

ますます活躍の場を広げていく益子里菜から、今後も目が離せない。