インターネット上で話題を集める正体不明のジャンルレスアーティスト、YOAKE。
その楽曲はバラード、ポップス、ピアノロックなどジャンルの枠を越えて幅広く、曲によってボーカルの個性もがらりと変わり、MVの映像世界と一体になったストーリー性の高い作品として聴き手に感情移入させてくれる。
・YOAKE「なぁ」Official Music Video
2021年6月にデジタルリリースされ、同時にMVが公開された楽曲「なぁ」。
曲によってサウンドもボーカルも大きく変化するYOAKEだが、この曲では研ぎ澄まされたアコースティックサウンドと透明感のある男性ボーカルによって世界観が形作られている。
テーマは「叶わぬ恋」。言葉選びはシンプルかつ普遍的で、飾らない等身大の表現だからこそ、聴き手を問わず心を揺さぶってくる。
サウンドとメロディと歌詞が一体になった、純度の高いラブソングとして必聴だ。
また、MVは幅広く活躍する女優の今野杏南が主演。
ペットショップを舞台にくり広げられる異色の恋模様を描いていて、独特のかたちで描かれる「片思い」「禁断の恋」は、シュールでありながらも心を動かされる。
この存在感から、TikTokでもバズを引き起こしたという。
YOAKEの音楽性をまず最初に知るのにもぴったりのキャッチーな一曲だ。
・YOAKE「Love me do!」Official lyric video
YOAKEの楽曲で初めて男女デュエットスタイルで表現された「Love me do!」は、タイトルからも伝わる通り、どこか洋楽的なエッセンスが強く押し出されたナンバーだ。
力強い女性ボーカルと優しく響く男性ボーカルの心地良いハーモニーや掛け合い。ゆったりとしたリズムでメロディと言葉を届けるサウンド。
南国的な情緒の漂う音楽世界は研ぎ澄まされたセンスを見せ、聴き手を非日常に誘ってくれる。
ダブルミーニングなど多彩な仕掛けが施された歌詞も見どころ。
以前に公開した楽曲「ふぁなれない」で歌詞に込められたギミックが反響を呼んだことをきっかけに、歌詞表現でそうした趣向を凝らすのを一つのコンセプトにするようになったと思われる。
・YOAKE「サメザメウー」Official Music Video
ミディアムテンポに乗せてリアルな恋の感情を熱量たっぷりに描く「サメザメウー」も、YOAKEの確かなソングライティングセンスと歌詞のこだわりが表れたキラーチューン。
普遍的だからこそ誰もが共感できる詞世界は、愛する「君」の表情と情景をまるで映画のように繊細に映し出している。
MVでは歌詞とリンクした物語が描かれているが、注目すべきは歌詞の字幕だ。同じ音にもかかわらず、日本語詞と英語詞、どちらで見ても意味が通じるように言葉が綴られていて、驚異的な完成度に驚かされる。
今後もコンスタントに作品を発表予定だというYOAKE。
登場するやいなや瞬く間に存在感を発揮して知名度を高めてきたYOAKEが、これからどのように躍進していくのか、今から目が離せない。
YOAKEのさらなる活動に、今から要注目だ。