東京の下町、浅草にある民謡酒場の長女として生まれ育った「服部奈緒」は幼少時代から音楽と庶民の会話や感情に囲まれてきた。


酒を飲み、興じて歌う者、愚痴をこぼしながら涙する者、そんな大人たちの姿をたくさん見て育った服部の音楽は、私たちが生きる世の中の感覚を敏感に反映させる。ギミックを用いて痛烈な表現を回避しつつも、リスナーの共感を呼ぶリリック、服部が今こそ歌いたいことは「だれかの大丈夫じゃない日に、ちょっとだけ希望になれるような音楽」。


学生時代に名門アカペラサークルに所属、そのリードボーカリストとして全国大会への出場経験もある「服部奈緒」が満を持して、シングル『部屋着はグレー』をリリース。楽曲提供は、津軽三味線奏者として日本一を4度獲得しつつも独自のポップセンスを書き上げるシンガーソングライター「Shinobu Kawashima(CHiLi GiRL)」。また、「友重悠」、「カワコウ(GET BILL MONKEYS)」らのサポートを受け、ソロ・アーティストとして活動をスタートした。




・服部奈緒 - 部屋着はグレー



レトロな響きを纏ったサウンドは、古き良きフォークソングとシティポップの間を泳ぎ回るような自由さを持っている。Shinobu Kawashima氏(以下、Kawashima)から提供を受けたオリジナル楽曲『部屋着はグレー』では、どっちつかずに続いていきそうな日常や恋愛が、服部の歌声によって美しく、それでいてアンニュイに描き出されている。

服部とKawashimaとの出会いは、Kawashimaが出演する下北沢でのライブだった。Kawashimaのことを「POPSと伝統芸能とを融合させるパイオニア的存在」として認知していた服部だったが、初めて生で見たKawashimaの演奏に感銘を受け、ライブ直後に服部から声をかけた。二人はそこで話すうちに意気投合し、どちらからともなく「一緒にオリジナル曲を作ろう」と共同制作の話が持ち上がった。

作詞は服部奈緒自身が行なった。タイトルの『部屋着はグレー』という言葉が非常に印象的だ。このタイトルについて服部は「ずっと頭に残っていた言葉」だと言う。それをキーワードとしてパズルのように要素を書き足していくことで、この詞を完成させた。

かつてYouTubeチャンネルでカバー楽曲の歌唱動画を発信していた服部は、オリジナル楽曲に対して大きな憧れがあった。「『もっと自由に表現してみたい!』という気持ちがありました。自分の曲ができて、より感情移入できている気がします。自分が出した曲に対して、『いいね』って言ってくれる人がいることで、自分も誰かの力になれたのかもと、自信が持てる」と明かしている。

・【津軽三味線と歌う】春よ、来い/松任谷由実(Covered by 服部奈緒)



服部自身のルーツとも言える、津軽三味線とコラボしたカバー作品『春よ、来い』。


繊細で丁寧な、それでいて瑞々しく豊かなピアノ。忘れていた感情、隠していた感情を引き出していつかの記憶とリンクさせてくれそうな力強い津軽三味線。

そして、一つ一つの言葉に想いを込めて放たれる服部奈緒の歌声。


目の前に浮かぶのは、春だ。壮大な春。美しい春。繊細な春。眩しい春。儚い春。

名曲を新たな側面から照らす服部の歌声は、私たちに新しい解釈の可能性を提示してくれている。




「音源をリリースしたい!配信やCDというものを通して、聴いてくれる人とコミュニケーションをとりたい」と服部は言う。

2022年3月26日には初めての自主ライブ『混浴』を開催予定。


『混浴』というタイトルには「音楽で頑張りたい!と決めて実家を出て、初めて一人暮らしをした部屋が、めちゃくちゃ壁の薄いところで(笑)。家の中で唯一防音効果がありそうだったユニットバスで、夏は熱中症になりかけながら、冬は凍えながら歌っていた思い出がある。そういう時期の、はじめたばかりの気持ちを忘れたくない」という思いが込められているそうだ。同ライブにはKawashima率いる「CHiLi GiRL」も出演予定である。


「これからも自分の原点である地元・浅草のことを思いながら、義理人情や人とのつながりを大切に活動していきます」。

そんな服部奈緒のこれからを、是非見守っていっていただきたい。



【ライブ情報】



服部奈緒 BirthdayLive !

『混浴』

2022年3月26日(土)
@上野Untitled
OPEN 17:00/START 17:30

▽出演者
服部奈緒(バンドセット)
CHiLi GiRL
秋元リョーヘイ
▽チケット
前売:¥3000+1Drink
当日:¥3500+1Drink

▽ご予約

naohattori0326@gmail.com または 各出演者まで