宮守文学は、2016年8月にボカロPデビューを果たしたクリエイターである。

Web上での作品発表と並行してリアルでのライブやイベント、様々なメディアへの出演など幅広く活躍中。


ダンスミュージック×ラップを軸に、キャラクターの魅力を鮮やかに引き出すことに長け、ポップなサウンドと唯一無二のワードセンスで自分勝手に世界を塗り替えていくスタイルが大きな特徴。

「king妃jack躍」「パリィ」「夜舞うシルエット」など数々のヒット作を世に送り出し、世代性別問わず幅広い層から支持を集めている。
近年にはマジカルミライ2023グランプリ受賞時に特に大きな注目を集めた。

様々な種類のVOCALOIDたちとの共演を果たしてきた宮守だが、その中でも「VOCALOIDの魅力を知るキッカケになった」という初音ミクに対して特に深い思い入れを持っているそうだ。
彼自信が作詞や作曲といった作家としてのスキルだけではなく、キャラクターへのトータルプロデュース能力に長けていることもあり、彼の初音ミク作品は”初音ミクらしさ”に溢れた楽曲が非常に多い。

近年では技術の進化により人間のボーカルとほぼ聞き分けられないレベルでリアルな音声合成ソフトも多いが、宮守プロデュースのミクは元々彼女が持っているアンドロイドらしい機械っぽさを否定せず意図的に残している。

その上で細かいアーティキュレーションを多用し”人間らしいアプローチ”を組み込むことで、初音ミクや各ボーカロイドにしか表現できない”らしさ”を引き出すことに成功している。
このプロデュースセンスと独自のサウンドが生み出す宮守ワールドは広い電子海の中でも唯一無二で、見る者聴く者の心を掴んで離さない。

VOCALOIDをただのツールとして捉えず”素晴らしいアーティスト"として、あるいは”音を紡いで一緒に表現をする仲間”として真摯に向き合い、共に歩んでいる点も大きな魅力。
こういった誠実さ、愛情がリスナーにも伝わり広く深い支持を得ているのだろう。

暦はまもなく2026年を迎えようとしているが、来年以降も彼の躍進は続いていく。
そしてやがてボカロPというジャンルにおいて新しい時代を作っていく……そんな未来への期待を抱かせてくれる新進気鋭のボカロP。
それが宮守文学だ。

詳しい活動実績などはこちら



①  パリィ / 宮守文学 feat.鏡音レン, 鏡音リン



2024年5月に公開された鏡音レン&鏡音リンオリジナル曲で、2025年11月時点で約200万回再生を記録している大人気作。

「一緒に作ろう!第23回楽曲コンテストプロセカNEXT」採用作品として全世界中の人々に親しまれている。
宮守文学として鏡音レン・リンを初めて本格的に使用した記念すべき作品で、「王道なボカロ曲を作りたい」という思いで制作された彼の代表曲のひとつ。

エレクトロスウィングをベースとしたわちゃわちゃと暴れるようなエネルギーに満ちたサウンドで、宮守が得意とするダンスミュージックやヒップホップの要素が絶妙な配分で融合し、聴いていてシンプルに「楽しい」と感じさせるポップさを生み出している。
「ここまで本格的に早口なのははじめてかも」というインパクト大なラップ調のボーカルも極めて印象的。

制作段階において「沢山考えはしたが苦心は一切無く、ゲームを攻略するような感じで楽しく作ることができた」という本作は、リスナーにとってもまるでゲームをプレイするかのように感覚的・能動的に楽曲世界に入り込んで楽しめるものとなっている。

ついつい歌いついつい体が動く……この曲が流れてくると、そんなプリミティブでシンプルな音楽の楽しみ方を思い出し体感することができる。

そういった部分も大きな魅力だ。


MVを担当するまぐじゃがは元々所謂”VOCALOID畑”のクリエイターではなかったが、TikTokでまぐじゃが作品を発見した宮守が一目惚れしオファーを出したという。

宮守文学ワールドと相性バッチリなその独特なポップセンスに大注目だ。



②  宮守文学 - VIRTUAL LIVE(出演:初音ミク ほか)【youtube music weekend 10.0】



“ボカロPが主催するVOCALOIDバーチャルライブイベント”という前人未到の挑戦を行ったライブの様子を収録した動画。

初音ミクや鏡音リン・鏡音レンなどのVOCALOIDたちと、DJとして出演する宮守が夢のステージ共演を果たしている。


“共演”という形ではあるが、あくまでメインをVOCALOIDとし、宮守自身はミクたちの映るスクリーンを邪魔しない位置に設置したDJブースでパフォーマンスを行っていることも大きな特徴。

この配置についてはVOCALOIDたちをフィーチャーすると同時に「ブースの高さがお客さんのいるフロアとほぼ同じ高さだったので、お客さんと同じ目線で会場を見ることができ皆さんの熱量やパワーを肌で感じることができた」という副次効果も生み出していたと宮守は語る。


全4曲のセットリストはそれも彼の代表曲揃いで、十数分の間に極限まで濃密でエモーショナルなステージが展開されている。

実施前は「本当に人が来てくれるのか不安だった」という本企画だが、蓋を開けてみれば大盛況中の大盛況。

普段のリアルイベントでも「来場者さんが素敵な思い出として刻んでくれるようなギミックを仕込むのが好き」という宮守ならではの、細かい配慮とこだわりがあってこそ成し遂げることのできた成功といえるだろう。

第2回の開催が待望される。



③ マッドダイナー / 宮守文学 feat.初音ミク, 鏡音レン, 鏡音リン, 巡音ルカ, MEIKO, KAITO



2025年8月にリリースされた楽曲で、クリプトン社のVOCALOIDである初音ミク, 鏡音レン, 鏡音リン, 巡音ルカ, MEIKO, KAITOの6人が出演。

各キャラクターがそれぞれ客、シェフ、ソムリエなど違ったーロールに扮して進行していくストーリーが特徴的で、”プロデューサー宮守文学”としての手腕が遺憾無く発揮されている。

サウンドはこちらも王道的なエレクトロスウィングラップをベースとしており、ボーカル数が多いこともあり特に華やかで賑やかな仕上がりとなっている。
大人数の場でみんなでワイワイ盛り上がりながら歌ったり、歌い手やVSinger同士のコラボにも向いた作品だ。(あえて全パートを一人で歌い切るのも熱い……!)

同年9月にリリースされたEP「mad dinerで会いましょう」収録曲でもあり、リアルイベントと連動したギミックが満載な点もより広く深い作品世界を構築する一因となっている。
本作即売会では列に並んでいるファンに実物のマッドダイナーメニューが配られ、実際に手にとって隅々まで見ることができたそうだ。


こういった”超美麗3D”的な体感型のイベントを発案し実現できるのも宮守の大きな強みだ。

今後も”マッドダイナーというIP”として様々な展開を期待したくなる作品である。



最後に、宮守文学に今後の活動や目標について語ってもらった。



「もともと『ボカロPになりたい!』という想いがあって活動を始めたので、ある意味すでに夢はかなっているんです。なので、一番の目標は”ボカロPとして楽しく活動を続けていくこと”ですね。その活動をどうやって広げていくか、というのが今後の指針になるのかなって思ってます」

「そんな感じなので、ちゃんと”ボカロP”として見ていただけるよう新曲は定期的に発表していきたいです。それに付随して色々みなさんに楽しんでいただけるようなイベント・企画を展開していって、僕自身も目一杯楽しみたいです」

「先日のバーチャルライブが大好評で、かつて無いくらいファンの方々との一体感を得ることができ素晴らしい体験でした。第2回第3回と続けて改めて皆さんの熱量を肌で感じたいと思ってます」

「マジカルミライやプロセカは僕のクリエイター人生にとって大きな転機となった作品・イベントなので、これからも機会をいただければ作品を通して恩返しをしていきたいです」


「僕はまだまだクリエイターとしてキャリアが浅い方だと思うんですが、活動を末永く続けていくことで発言や作品にもっと説得力が出てきたり、同じメッセージでもより多くの方々に違った形で解釈していただけるようになると思っています。その境地に達することができるよう精進するので、これからも応援よろしくお願いいたします。」



今後5年10年とキャリアを積み重ねた彼がどんなクリエイターに成長し、どんなエンタメを想像しているのか……これからもボカロP宮守文学から目が離せない。