虚無感と情動をテーマにポップミュージックを作る廃墟系ポップユニット、cadode(カドデ)。
“廃墟散策”という趣味を通じての友人という間柄だったが、カラオケでkoshiの歌を聴いたebaがその歌声の魅力に気づく。
・cadode - カモレの夏(Music Video)
2023年6月9日にリリースされた楽曲『カモレの夏』。
≪テーブルの上で歌う最後のうたを かき消しながら過ぎていく 夏風は遠くへ≫。そんな風に歌う同曲では、日本の夏特有ともいえる寂しさ(特に夏の終わりや、いつかの夏を振り返る際に生じる)や儚さ、虚無感のようなものと情緒を強く感じる。
涼し気で雰囲気のある歌声にはもちろんのこと、サウンドの広がりや抑揚などからもそれは感じられるだろう。メロディーラインはキャッチーでありながら、サウンドの描き方はすごくモダンでアートチックだというのもポイント。
感傷にも浸れるし、そのセンスの良さにテンションを上げることも出来る1曲だ。
・cadode - 回夏(Music Video)[TVアニメ『サマータイムレンダ』1stEDテーマ]
TVアニメ『サマータイムレンダ』のEDテーマとなった楽曲『回夏』。「『サマータイムレンダ』と曲がリンクしているので、その整合性を楽しんでもらいたい」と話すように、同作はアニメの雰囲気との高い親和性が大きな特徴だろう。
儚さや切なさに、青い炎のように燃ゆる想い。そこにどこかミステリアスな雰囲気が加わり、他の楽曲では味わうことが出来ない、唯一無二の雰囲気を創出。聴く者は、その雰囲気の中にどんどんと引き込まれていくのだ。
アンビエントのような静の美しさと動を兼ね備えつつ、歌心全開のメロディーラインを歌うなど、大衆性と洗練性を同時に発揮しているというのも、やはり魅力的。
・cadode - さかいめだらけ(Music Video)
Nintendo Switch™/PlayStation®4用ゲーム『サマータイムレンダ Another Horizon(アナザーホライズン)』のエンディングテーマ。こちらはアニメと同じタイトルでもゲーム用の楽曲で、「改めて歌詞をみながら聴いてもらえれば発見があると思う」と話すように、『回夏』とは視点を変えているのがポイントだ。
サウンド的にもよりアグレッシブなフレーズや展開が増えているように感じられる。かと思えばバックミュージックのない美しいコーラスだけで描くシーンもあるなど、一筋縄ではいかない、予想をつかせない展開で聴かせる。
何度聴いても飽きない楽曲だということは間違いないだろう。歌詞を味わいながら、音を堪能しながら、是非何度も聴いていただきたい1曲。
「緻密な音世界がグループの魅力で、ライブでもサウンドを忠実に再現しているが、いずれはライブでバンドセットのスタイルも取り入れて、ライブならではの新しい価値を提供していきたいとも考えている。定期的にワンマンをやりながら安定してリリースし、息の長い活動をしていきたい」。
是非今、チェックしておいていただきたいグループの一つだ。
【リリース情報】
2023/6/9(金)リリース
【ライブ情報】
OPEN 17:15 START 18:00