2021 年夏より東京を拠点に活動する青山学院大学卒と早稲田大学卒のメンバーで結成されたキネマポップバンド、カラコルムの山々。

石田 想太朗(Vo/Gt) 、小川 諒太(Key) 、木村 優太(Ba)、ぐら(Dr)の4名編成。


オルタナティブなビートの上で Vo./Gt 石田想太朗のポエトリーがドラマチックに展開されるというのが一つの特徴。
学生ビッグバンドやジャズ研など様々な音楽遍歴を持つメンバーが織りなすビートは、楽曲ごとにファンクやテクノ、スパニッシュなど様々な顔をみせ、ポップかつ独創性あふれるサビも印象的。


また非常に熱量の高いライブは必見。音楽家然とした緊張感にあふれる生演奏は、複雑な変拍子を軸としたループミュージックをダンサンブルにステージで展開していく。

メンバー各人の音楽のルーツは様々だがそれぞれから提案されるバラエティ豊かなアレンジがバンドの幅を広げる。



・カラコルムの山々 - タイムスリップできない



「僕の人生において、何があってもきっとできないことってなんだろう?と考えた時、最初に浮かんだのが『タイムスリップ』だった。技術的に、という意味だけではない。もしも発明が起こって市民レベルにまでそれが流行したとしても、きっと僕はそのブームに乗るのが恥ずかしくてやらないと思うのだ。それはもしかしたら、例えば現代のTikTokダンスへの僕の思いと似ているのかもしれない…」。


そんな風にコメントをくれた1曲『タイムスリップできない』。


タイトルは『タイムスリップできない』だし、自意識的にも技術的にも実際にタイムスリップはできないかもしれないが、独特な拍子感やメロディーやサウンドの展開、使われている音の音色、ポップなセンスなど、その音楽には時代を自由に行き来するような趣がある。そしてそれがエヴァーグリーンな空気感を帯びているから面白い。


今聴いても新しいし、きっと10年後に聴いても新しいと思えるはずだ。

そんな楽曲はもちろんのこと、バンド活動に欠かせないハイエースをタイムマシンに見立てた、大きなスケールのMVも必見。



・カラコルムの山々 - 大仏ビーム



「大仏ビームはこのバンド最初の曲だ。この曲をきっかけにオリジナルを演奏するようになり、今に至る。我々はリリースを終えた後も楽曲をアレンジすることが多い。ライブに向けて練習をしていくうちに、気づきがあり、他のアレンジを試したくなってくるのだ。しかしこの曲だけは、初めて演奏した時のまんま、まるで化石のように残り続けている。僕たちは一体何歳まで『大仏ビーム』と叫ぶのだろうか」。


そんな風に振り返る1曲『大仏ビーム』。


ラップともセリフとも異なる、言葉を羅列するようなメロディーラインは、まさに”大仏ビーム”とでもいわんばかりにうねりをあげながら耳から身体の奥底まで突き刺さる。

「MVは大学時代の友達たちにお願いした。とは言ってもCGを触ったこともなかった彼。これのために勉強しイチから作り上げてくれた力作」というMVも、実にパワフルでサイケデリック。


曲も映像も、中毒性抜群の1作だ。


・カラコルムの山々 - 週刊奇抜



「この曲のMV、おもしろい。特筆すべきは、MVの監督が細部に散りばめたこだわりだ。一瞬しか映らない小さな文字やデザインがとても凝られていて、何度みても新たな発見がある。ぐらのプラダを着た悪魔のような編集長っぷりにも注目だ(僕が編集長にしばかれて頭を抱えている様子もチェックしておいてほしい)。君は一体何が好きなんだい?というこの楽曲の問いにあなたはなんて答えるのだろう」。


そんな風に紹介してくれた同曲は、ジャンルを超越するような、自由な音楽性がこれでもかというほどに表れている。
イントロすらもゴシックな雰囲気から電子ポップサウンドに変貌するし、Aメロはラップ的でありながらサビは弾けるほどにメロディックでコーラスも印象的。
MVだけではなく楽曲自体も、何度聴いても新しい発見が出来る1曲ともいえるだろう。



今後の活動の目標や展望について尋ねてみると「いつか、カラコルム万博を開催するぞ。各楽曲の世界を冒険するアトラクションがパビリオンとなってひしめき、シアターに行けばカラコルムの物語の映画を見ることができる。そして夜になれば我々がライブを行うのだ。現在我々が行うリリースは、そんな遊園地のような場所を作るための準備なのだ!」と回答してくれた彼ら。


それはきっと、他では味わうことのない体験となるはずだ。まさしく彼らの音楽のように。
それが叶うことを楽しみにしながら、まずは是非一度ライブに足を運んでみていただきたい。
きっとそれすらも他では体験できないものになるから。

最後に、彼らから読者の方へのメッセージも紹介したい。


「人々は物語を求めている。ショート動画のこの時代になっても、なお、短編のTikTokドラマは次から次へと生み出されている。カラコルムの山々の音楽はその要請に応える。我々のキネマポップはいつだって物語で、いつだってこの冷えた現代社会の逃げ場になっている。熱中して異世界に思いを馳せることの面白さを、我々は探し続ける。ライブ会場でお目にかかろう」


【ライブ情報】


4/26(土)下北沢BASEMENT BAR ※ワンマンライブ


5/4(日)VIVA LA ROCK


5/19(月)心斎橋Pangea w/um-hum 穴熊 Monomi twins
5/20(火)寺田町Fireloop w/Mini M!ikke アボカドガゼル Comical Fighters
5/22(木)横浜FAD w/Wash My Friday Doxie ひゅ〜どろん Swing Skit
5/24(土)Shimokitazawa SOUND CRUISING 2025
5/28(水)月見ル君思フ w/ひゅ〜どろん, 松澤在音(Band set)

5/31(土)下北沢THREE w/CheChe、やさしいみらい